浮世絵コンシェルジュ 畑江麻里

2017年もありがとうございました

月岡芳年(大蘇芳年)の美人画シリーズ《東京自慢十二ヶ月》

2017年も残り1日になりました。今年もたくさんのメッセージ等々、ありがとうございました。

 今年最後の投稿では、ご質問等も受けた月岡芳年(大蘇芳年)の美人画のシリーズ《東京自慢十二ヶ月》についてご紹介したいと思います。

 

月岡芳年《東京自慢十二ヶ月》

明治13年(1880) 大判錦絵 版元:井上茂兵衛

 下記の作品は、当時有名な12人の芸者や遊女たちと、東京12ヶ月の名物風俗を組み合わせた美人画のシリーズです。

 1月の初卯詣、2月の亀戸の梅、3月の吉原仲の町の桜など、各月に応じた名物が選ばれていて、それぞれの地域に対応する女性が、新橋の芸者3名、柳橋の芸者が2名、日本橋の芸者が2名、大坂町の芸者が1名、吉原の花魁と芸者が各一名、品川の遊女1名、根津の遊女1名、というように選ばれて、名物風俗を彩っています。

 この時期、作者の芳年は数多くの美人画シリーズを手掛けていて、このシリーズでは、背景の写実的な風俗描写で名物の様子を紹介し、実在する芸者や遊女たちを歌川派美人の顔貌表現をベースに描いています。

(浮世絵展「美人画名品選―春信・歌麿から芳年・周延まで―」の展示コーナー解説参照)

 

下記の作品は、当時有名な12人の芸者や遊女たちと、東京12ヶ月の名物風俗を組み合わせた美人画のシリーズです。

 この美人画シリーズの作者、月岡(大蘇)芳年は、幕末から明治初期の浮世絵師です。嘉永3年(1805)の12歳の頃に武者絵の名手として知られていた歌川国芳に入門します。芳年が国芳の門をたたいたのは、武者絵を好んだからとも考えられます。

はじめは師・国芳の作風を踏襲した武者絵などを描いていましたが、明治維新の前後から戊辰戦争などに取材した残虐な「血みどろ絵」で注目を集めます。明治3年頃より神経衰弱に陥り、作画量減りますが、明治6年に回復すると、新たに「大蘇」(大きく蘇るという意味でしょう)と号します。現在では「月岡芳年」の名前が主流ですが、畑江の調査では、芳年の作品は「大蘇」と号した作品が最も多いです。

今回、一般的に主流な「月岡芳年」としましたが、「大蘇芳年」や「歌川芳年」でも間違えではありません。

 

 芳年は、西洋風の明暗表現を意識した歴史画はじめ、銅版画の陰影や、油絵の明暗描写を錦絵に積極的に取り入れ、新しい技法に挑んでいます。幅広い画題の浮世絵を手掛けていく中で、明治10年頃から美人画制作にも取り組み、新たな細かな描線を用いて、この《東京十二ヶ月》のように明治の美人画を代表する作品を数多く残したのです。

(浮世絵展「美人画名品選―春信・歌麿から芳年・周延まで―」の図録参照)

 

メニュー

INFORMATION

【お知らせ】

2024年5月26日(日)

京都きもの市場が主催する日本最大級の着物展示会

5/22(水)〜5/27(月)

@東京丸の内KITTE

このイベントにて

「初心者でも楽しめる浮世絵講座」 が開催されます✨

15時〜、16時〜の2回。

ご予約は、コチラ

2022年11月4日 双子を出産

 【テレビ出演】

2022年9月19日(月)

フランスのテレビ局"ARTE"

歌川広重特集に出演しました!

"Invitation au Voyage"(邦題:旅への誘い)

 9/19 18:10〜

放映リンクはコチラ

【浮世絵連載(全5回)が掲載中】

「畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」で取り上げた内容の一部
「浮世絵きほんのき!」(全5回の連載)が、
京都きもの市場が運営するメディアサイト「きものと」に掲載中!

 

一点もの?大量生産? vol.1

https://www.kimonoichiba.com/media/column/759/

 

黒一色からフルカラーへ vol.2

https://www.kimonoichiba.com/media/column/795/

 

浮世絵はどうやって作られる?vol.3

https://www.kimonoichiba.com/media/column/826/

 

 浮世絵の題材はこんなにも幅広い! vol.4

https://www.kimonoichiba.com/media/column/930/

 

美人画は当時のファッション雑誌!? vol.5(最終回)

https://www.kimonoichiba.com/media/column/1003/

 

◆2022年7月24日(日)

「第3回  畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」

14時から16時30分

6/24、7/10と大好評だったので、さらに追加で、オンラインで開催します!

2022年7月21日(木)

都内の大学で、ゲスト講師として講座とワークショップを行いました!

◆2022年7月10日(日)

「第3回  畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座(オンライン)」を追加で開催!

 

◆2022年6月26日

「第3回  畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」

今回も定員以上となり、大盛況で開催しました!

お陰様で今回も定員以上になりました!

インスタグラム@hataettiで近況を更新中!

フォロワー3000人を突破しました!

◆Instagramのサイトは、

コチラです!

 

 お気軽にFollow Me

2022年6月20日(月)

都内の大学でゲスト講師として講演しました!

◆5月19日(木)

 ロータリークラブで講演しました!

「浮世絵美人画にみる評判娘ー笠森お仙を中心にー」

◆4月30日(土)

TOKYO MXテレビ『ぐるり東京江戸散歩』「江戸時代のアイドル」に出演しました!

修士論文で取り上げた「笠森お仙」を中心に、現代のアイドルと女優さんに解説してきました♪

※6/7までTVerという配信アプリで見逃し配信しています

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

2022年夏頃

フランスのテレビ"ARTE"歌川広重特集に出演します!

"Invitation au Voyage"

(邦題:旅への誘い)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

2021年11月10日(水)

大学の授業で講師として、浮世絵についてお話しました!

「浮世絵とジャポニスム」(60分)

「第2回 畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」若い参加者も多く、大盛況で無事に開催いたしました!

【定員になりました】「第2回畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」

※オンライン、オンサイトはどちらも同じ内容の講座となっています

文化庁・文化財研修事業 浮世絵木版画彫摺技術者育成事業報告

 

竹久夢二学会 例会(於:群馬県立館林美術館/群馬県立近代美術館)

2021年3月7日(日)

インターネット番組にゲスト出演しました!

足立区北千住のインターネット番組Cwaiveにゲスト出演し、美人画研究会をはじめ、足立を描いた浮世絵やその歴史を簡単にご紹介しました♪

番組名:Coming Soon!文教国際です!

2021年3月6日(土)

日本顔学会25周年記念シンポジウム(於:資生堂)

2021年2月28日(日)

第26回美人画研究会をZOOM併用で開催しました!

2021年2月21日(月)

ラジオ番組で「美人画研究会」の活動報告をしました!

13時~かわさきFM

2021年2月22日(日)

朗読劇(美人画研究会協力)に出演しました!

『雪の女王』 雪の女王役  『12の月の物語』 ホレーナ役

2021年1月31日(日)

「第1回 畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」大盛況で無事に開催いたしました!

【定員になりました!】第1回 畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座を開催♪

お陰様で定員(20名)になりましたので、予定より早く募集を終了いたします

 

畑江まで直接ご連絡お願いします~♪

ukiyoe.concierge@gmail.com

11月下旬

浮世絵コンシェルジュとして映画『宮城野』の魅力を監督と語ります!

舞台に出演しました

2020年10月9、10、11日

初めて「美人画研究会」が舞台『浅草夢やしき』の舞台協力になり、芸者・タマ子役で出演しました!

舞台稽古を重ねるごとに台詞や出番が増え、シーン⑤では、日本舞踊を舞った後「美人画研究会」の宣伝をする場面もありました

【舞台公演情報】

2020年10月

  9日(金)15:00 19:00

10日(土)13:00 17:00

11日(日)11:00 15:00

 

チケット:5000円

会場:雷5656会館5階「ときわホール」

住所:東京都台東区浅草3-6-1

 

※チケットご予約※

コロナ対策徹底で、劇場での購入ができないため、

 

畑江まで直接ご連絡お願いいたします~♪

ukiyoe.concierge@gmail.com

舞台出演がきっかけで、学生時代お世話になった、渋谷円山町芸者・鈴子姐さんに再会しました!

【中止】コロナの影響で、非常に残念ながら中止になりました

2020年10月10日(土)

中山道広重美術館2020年度連続講座にて講演「広重とジャポニスム」

2020年9月5日(土)

第24回美人画研究会を満員御礼で無事に開催いたしました!

2020年7月25日(土)

すみだ北斎美術館にて開催

映像情報メディア学会・研究イノベーション学会にて登壇!

登壇内容「浮世絵から現代の美人画へ」は無事好評におわりました

2020年2月9日       第22回美人画研究会を満員御礼で無事開催しました!

学会誌に論文が掲載されました

日本フェノロサ学会機関誌『LOTUS』第39号に

論文が掲載されました

「大正期「複製浮世絵」における高見澤遠治

―その卓越した精巧さの実見調査と、岸田劉生らに与えた影響の考察―」

 

竹久夢二学会で研究発表しました

2019年3月30日(土)

竹久夢二学会にて研究発表(於:拓殖大学文京キャンパス国際教育会館)

竹久夢二の「美人画」の線 ― 現代浮世絵彫師の作品の分析から ―」

2018年11月 

文教大学の授業にて浮世絵をテーマにゲストスピーカーとして講演

※こちらに掲載しました

2018年9月  

日本フェノロサ学会 研究発表(於:東京藝術大学)

※こちらに掲載しました