浮世絵コンシェルジュ 畑江麻里

2024年

4月

12日

浮世絵講座を開催します

【お知らせ】
◆ 5月26日(日)
京都きもの市場が主催する日本最大級の着物展示会
5/22(水)〜5/27(月)@東京丸の内KITTE
このイベントにて
「畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」 を
レクチャーさせて頂くことになりました✨
15時〜、16時〜の2回を担当します。
浮世絵講座では、
①浮世絵がわかるポイント1〜3に
着物の内容を加えてご説明
②世界的にも有名な葛飾北斎の代表作
《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》の
注目ポイント、どこから描いたのか…?
について解説します!
※「第1回畑江麻里の初心者でも楽しめる
浮世絵講座」でも触れた内容です
こちらのリンクより予約受付できます
先着順になりますので、お早めにご予約下さい。
※15時からの方に予約が偏っているそうです
この日は子供達を預けて浮世絵レクチャーする
予定なので、お時間ありましたら、
ご参加頂ければ嬉しいです😊

2023年

7月

04日

【「きものと」に原稿が掲載されました】

京都きもの市場が運営するメディアサイト「きものと」に「浮世絵きほんのき!」が掲載されました

子達が生後8か月になった2023年7月4日。
京都きもの市場が運営するメディアサイト「きものと」に
「浮世絵きほんのき!」(最終回)がUPされました✨
美人画は当時のファッション雑誌!? 
「浮世絵きほんのき!」vol.5(最終回)
連載の最終回は「流行ファッションの情報源」としての役割も担っていた「美人画(美人絵)」について。
前回のvol.4では、浮世絵には様々なジャンルがあることをお話したのですが、今回は、当時の浮世絵が鑑賞する絵画であっただけではなく、メディア(情報を伝達する媒体)でもあったということをご紹介しています。
例えば、役者絵。
その時に上演されている歌舞伎演目の情報源になるのはもちろん、役者が亡くなった時には「死絵」が出されることで訃報が人々に伝えられました。
また風景画(名所絵)は、江戸の庶民の間で高まっていた旅行人気に応えるガイドブックとして閲覧されていました。
このように各ジャンルの浮世絵はそれぞれ違ったメディアとして機能していましたが……
今回は、なかでも「きものと」読者の方々の関心が高いと想定される美人画(美人絵)について掘り下げてみることに。
 
コチラより、ご覧頂ければ幸いです。

 

第1回~5回までのコラムは、以下をご覧いただければ幸いです。

 

一点もの?大量生産? vol.1

https://www.kimonoichiba.com/media/column/759/

 

黒一色からフルカラーへ vol.2

https://www.kimonoichiba.com/media/column/795/

 

浮世絵はどうやって作られる?vol.3

https://www.kimonoichiba.com/media/column/826/

 

 浮世絵の題材はこんなにも幅広い! vol.4

https://www.kimonoichiba.com/media/column/930/

 

美人画は当時のファッション雑誌!? vol.5(最終回)

https://www.kimonoichiba.com/media/column/1003/

2022年

4月

23日

テレビ出演情報

テレビ出演のお知らせ

【テレビ出演のお知らせ】
来週、4月30日(土)11:30〜12:00放送の
TOKYO MXテレビ『ぐるり東京 江戸散歩』「江戸時代のアイドル」に出演します!
私が主に取材されたのは、江戸のアイドル・笠森お仙
お仙は、江戸中期に、谷中の笠森稲荷門前の水茶屋「鍵屋」で実際に働いていた看板娘で、鈴木春信の浮世絵美人に最も多く描かれ、当時絶大な人気を誇りました!
「笠森お仙」については修論で執筆したし、美人画研究会で何度も取り上げたので
取材の話がきて嬉しかったです。
今回は、この笠森お仙をはじめとする
江戸のアイドルについて、タレントの大島麻衣さん(元AKB48)と、
若手女優の森マリアさんに解説しました!
ちなみに、取材場所は谷中の功徳林寺でした。

功徳林寺は日暮里駅から徒歩5分ほどの場所にある谷中で唯一の浄土宗のお寺で、
明治26年(1893)に創建されました。
お仙がいた水茶屋「鍵屋」があった場所は、現在の功徳林寺がある場所にありました。しかし、お仙がいた鍵屋の「笠森稲荷」は、現在の養寿院にあるので場所が異なります。
江戸時代、谷中には大円寺と福泉院(現在の功徳林寺がある場所)に二つの笠森稲荷があり、福泉院前の水茶屋「鍵屋」にいたのがお仙。
その後、福泉院が消失し廃寺になり、笠森稲荷は寛永寺の子院・養寿院に移転。
明治26年に福泉院跡に功徳林寺が建立され、稲荷社が祀られました。
このTV撮影の収録後、功徳林寺の住職さんに笠森お仙について話してほしいとのお声がけいただきまして来月「浮世絵美人画にみる評判娘—笠森お仙を中心にー」
を講演することになり、不思議なご縁を感じました。

 

来週土曜日、『ぐるり東京 江戸散歩』是非ご覧ください✨

2022年

1月

15日

今年最初の投稿

フランステレビ局"ARTE"歌川広重特集出演と、鈴木春信《風俗四季哥仙 神楽月》作品解説

2022年最初の投稿です。

 

昨年は、「畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」を開催することができ、
この講座のインスタの投稿がきっかけで、フランスのテレビ局"ARTE"歌川広重特集に出演することになりました!

シリーズで放映している"Invitation au Voyage" (邦題 : 旅への誘い)歌川広重特集
江の島編と箱根編に、今年の夏頃に出演します。

 

撮影で撮った写真や動画は、インスタの方で更新中です!

Instagram@hataetti

お気軽にフォローして頂ければ嬉しいです。

 

 

また昨年は、美人画研究会でお世話になっている大学教授の授業で特別講義

「浮世絵とジャポニスム」(60分×2)

をするなど色々充実した年になりました!

 

※4~6限(4限概説・5限特講、6限博物館経営論)
4限は大教室で行い、5限と6限は教室が代わり、6限では博物館専門員をしていた時の体験など、スライドと共に紹介した後、レクチャーもしました。

 

では、今年最初の投稿では、江戸中期に活躍した浮世絵師
鈴木春信の作品をご紹介したいと思います。

鈴木春信《風俗四季哥仙 神楽月》
明和5年(1768)頃 中判錦絵

 

画面上部の雲形には
和歌
「杉たてる 門はなけれど 里かぐら 是や宮井の はじめなるらん」

が記され、

かわいらしい娘を肩車したお父さんと、その後ろに母、そして右側に
お姉さんが描かれています。

このお父さんに肩車された娘を拡大すると、綿帽子をかぶっています。

◆では、このお父さんに抱っこされたこの人形のような娘はいくつ頃だと思いますか?

ヒントはこの家族は宮参りにいっています!

またこの作品は、お正月を描いた作品ではありません!

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

【答え】
ではこの娘がいくつなのか、なぜ絵をみただけでわかるかというと、

このタイトルには、「神楽月」と書かれています。

◆では神楽月とはどういう意味なのでしょうか?

神楽月とは11月のことです。

10月の和風月名(わふうげつめい)は、神無月といいまして、10月にお参りにいっても神様はいません。なぜなら10月は日本中の神様が出張してしまうからです。そのため、11月は神が帰り、神を楽しませ、神楽の行はれる月であるので、「神楽月」といいました。11月の和風月名は霜月ですが、11月のことを「神楽月」といいます。

  つまりこの絵は、毎年11月15日に行われる今でいう、つまりこの絵は、毎年11月15日に行われる今でいう、七五三の宮詣での場面が描かれているのです!

江戸時代の七五三は、

女の子 3歳と7歳

男の子 3歳と5歳

なので、この娘は3歳だとまだ赤子なので、

7歳であることがわかります!

 

◆ちなみに、この7歳の女の子たちが参加する
七五三の儀式を「帯解きの儀」と呼びます。

これは、七歳になるまで、女の子は紐付きタイプの
着物を身につけるのですが、それが七歳を迎えると一変し、
着物に帯をしめて着用するようになるわけです。

こうした七歳で迎える変化を「帯解の儀」として祝います。

つまり、7歳の「帯解きの儀」を女の子はそこから幼女ではなく、娘へとなります。

このようにこの作品には、7歳の娘が描かれていることから、この右端のお姉さんは、7歳以上の娘であることもわかります。

 

コロナが落ち着いたらまた浮世絵講座や美人画研究会も
開催できればと思っています!

本年もよろしくお願いいたします😊

2021年

6月

01日

第2回 畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座

若い参加者も多く、大盛況で無事に開催しました!

2021年5月30日(日)
「第2回 畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」(美人画研究会主催)を無事に
開催することができました!
※人数制限徹底を条件に港区の会場のご許可を頂いております
お忙しい中ご参加頂いた方々、講座に興味を持って下さった方々、本当にありがとうございました!!
準備等々、毎回大変ではあるものの当日はいつも参加者の方々と過ごす時間が
本当に楽しくて幸福で、また次回も開催したいという気持ちになるから不思議です。
こちらの集合写真は、参加者の方々とお配りした浮世絵ノート(手製)を持って撮影したもの♪
※撮影OKの方と撮影する瞬間のみマスクを外しています
※タイミング合わず一緒に撮影できなかった方、次回は一緒にお写真撮りましょうっ
この浮世絵ノートの表紙は、今回詳しく取り上げた歌川広重の代表作《東海道五拾三次之内》の「日本橋 朝之景」です!
講座内容は以下になります
◆講座内容
第一部
浮世絵とは!?(前回の復習)
浮世絵の驚くべき技法!
歌川広重の名所絵の面白さ!
・描かれているもの
・構図の面白さ
・北斎との比較
第二部
現代浮世絵彫師制作の版画を実際に見ながら解説♪
今回は、旅をテーマに、
《東海道五拾三次之内》の最初の出発点「日本橋」を取り上げました!
まずこの作品をまっさらな状態で、感じたことや見た印象をノートに書いて頂き、
その後に、作品に描かれている江戸時代のリアルな暮らしがわかるものを一つ一つ詳しくご紹介しました。
次に、この作品の構図の特異性(面白さ)をお伝えしたく、他の日本橋を描いた作品5点と比較して何が異なるかをお聞きした上で広重がこの作品の構図で挑んだことをお話しました。
そして最後に広重のライバル葛飾北斎の代表作《冨嶽三十六景 江戸日本橋》と比較して、北斎がこの作品で挑んだことや北斎独自の構図や視点をお伝えし、二つの作品を比較してみましたっ!
 
第二部では、現代浮世絵彫師・朝香元晴氏制作の版画を今回も先生と広報部の方のご厚意で展示させていただきまして、最初に解説なしで御覧頂き、最後に展示作品の
解説や見どころ、注目ポイントをお伝えし、お時間のある方は16時30分頃まで
ご覧いただきました!
今回の浮世絵講座は、同様の内容のものを6月13日にオンラインで14時から16時まで行います!
また会場参加の方々と個別で撮った写真などInstagram@hataettiに、徐々にアップしていきたいと思います♪
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【お知らせ】
6月13日(日)14時から16時
「第2回 畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」Zoomによるオンライン
6/6までにお申し込みの方に、会場参加の方々にお渡しした浮世絵ノート(手製)を資料と共にご郵送いたします。
参加ご希望の方は、コチラ
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2021年

5月

16日

第2回 畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座のご案内

薫るさわやかな季節となりましたが、
いかがお過ごしでしょうか。

この度、「第2回 畑江麻里の初心者でも楽しめる
浮世絵講座」(美人画研究会主催)を開催いたします。

※会場となる港区の施設より人数制限徹底を条件に
使用許可を頂いております

お陰様で、オンサイトの会場はほぼ定員となり、
コロナ禍の状況で、追加でオンラインでの開催を
6月13日(日)に実施することに致しました。

(※5/30オンサイト、6/13オンサイトはどちらも
同じ内容の講座となっています)


◇Zoomによるオンライン開催 

日時 2021年6月13日(日)14時~16時

参加費 2000円、 学生1000円

※希望者には事前に資料等を郵送いたします

※浮世絵鑑賞会の作品写真もオンラインでご覧いただけます。

 
◇オンサイト開催

日時 2021年5月30日(日)14時~16時 

会場 港区プラザ集会室 JR浜松町より徒歩3、4分

(参加希望者に詳細をお知らせいたします)

参加費 2500円(当日3000円)学生1500円  

※資料代込み

会場には、現代浮世絵彫師・朝香元晴氏と広報部の方のご厚意で、今回も浮世絵版画を展示する予定です!

※会場は換気設備等が徹底されており、
コロナ対策のため120名収容会場に定員20名を
予定しております。


参加ご希望の方は、コチラもしくは、
Instagram@hataettiのDM迄ご連絡頂けますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。

2021年

3月

24日

第26回美人画研究会を開催しました

第26回 美人画研究会

2021年2月28日(日)
Zoomによるオンライン併用で「美人画研究会」を開催いたしました!

今回初めて、映画監督・山﨑達璽氏(母校日芸映画学科の大先輩)をお招きし、写楽をモチーフにした映画『宮城野』を制作する上で、正体が掴めない浮世絵師を映画の中でどう描いたかをお話していただけることとなり、ご登壇が実現しました!
研究会では、まず私、畑江麻里が「浮世絵美人からアニメへ」の第一弾として、今回は浮世絵美人に重きをおいて、浮世絵師によって美人の描き方の違いをご紹介しました。
明治時代に「美少女」という言葉ができ、多くの美少女雑誌が刊行されたこと、さらに、現代のアニメにおける美少女の表現は浮世絵美人から通じることをお話しました!
 
 次に似顔絵TVチャンピオンであり、CGアーティストでもある斎藤忍氏に、絵を描く立場から浮世絵とアニメについて語って頂きました!
斎藤氏は共通点を、西洋画の描き方との違いから説明くださいました。また、デフォルメの魅力についても、似顔絵、西洋画、浮世絵(写楽)から例を挙げて解説され、浮世絵の顔幅がかなり狭いのは、西洋画では影として描く部分をカットしてしまったからかもしれない、とされたのは、とても興味深かったです。

 山崎監督は、若くして監督作品が認められてカンヌ映画祭デビューをした天才肌ですが、なかなか聞くことがない映画の裏側やご自身の経歴などを楽しく話して下さり、
会場がかなり盛り上がりました。

また、今回取り上げた『宮城野』で描いた写楽については、写楽=斎藤十郎兵衛説が有力であるが正体がはっきりと掴めないことは面白いテーマであることや、最近放送された大河ドラマの明智光秀を描く際に、光秀=天海説を暗示させる場面が多数あったがみんなは気づいたか、など、普通では気づかないようなところを教えて下さいました。
「映像表現は具体性の極み」という監督の作品を改めて鑑賞したいと思いました。


 
研究会の最後には、現代浮世絵彫師・朝香元晴氏と宣伝部の方のご厚意で、写楽の「宮城野」をはじめとする作品と浮世絵美人の浮世絵版画を展示していただき、参加の皆さんと鑑賞しました。

後日3月3日(水)には映画『宮城野』の上映会があり、山﨑監督のご厚意で美人画研究会参加者は無料ご招待いただきました!
 
※映画『宮城野』は、Amazon プライム・ビデオで配信しておりますので是非ご覧下さい!

2021年

2月

03日

畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座を無事に開催しました!

1月31日(日)ZOOM併用「畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」

2021年1月31日(日)「畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」をによるオンライン併用で、無事に開催することができました!

お忙しい中ご参加いただいた方々、応援しして下さった方々、本当にありがとうございました!!

初めての会場でzoom併用に苦戦し、準備もろもろ大変なこともありましたが、アンケートを見たら「大満足」とのことで心から嬉しくなりました…泣

頂いたアンケートや嬉しい感想など、この日の講座については、こちらをご覧いただければ幸いです。

 

詳しくは、コチラ↓

「畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」

 

1枚目の集合写真でみんなが持っているものは、参加者の方々にお渡しした写楽の浮世絵ノート。
※集合写真は、撮影OKの方と一緒に撮っております。
このノートにも描かれている写楽の江戸兵衛について、最初に説明なしで率直に見たままの印象をノートに書いて頂き、その後、この江戸兵衛の役柄やキャラ、歌舞伎のストーリ等々を詳しく解説をして、その違いを感じていただきました!
また今回、浮世絵彫師・朝香元晴氏と宣伝部の方のご厚意で「写楽の浮世絵鑑賞会(複製)」ができることになり、二部屋借りて、最大120名収容可能でかつ換気機能設備の場所で行うことにしました。
(部屋の半分は展示コーナーとして使用)
参加者の方には、実際の浮世絵版画の彫摺を実感していただきたく、また作品の説明後に鑑賞して頂くことで、より浮世絵版画をお楽しみいただければと思い、企画しました。

 

こちらのお写真は、参加者の方が講座終了後に早速FBにアップして下さったもの。
嬉しくなり、こちらにも掲載しました!

今回のこの講座の内容は、
第一部
浮世絵とは!?江戸文化の発見!
東洲斎写楽の謎と、その浮世絵の面白さ!
第二部
アニメにも見られる葛飾北斎の名所絵の魅力!
ディスカッション/浮世絵鑑賞会
で行いましたが、次回も開催してほしいとのご意見を多数いただいたので、5月頃に第2回を開催できればと思います♪

2021年

1月

30日

いよいよ明日!

浮世絵講座と美人画研究会

こんばんは。
いよいよ、明日1/31「畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」を開催いたします!

コロナ禍ではありますが、今回予定より早く定員20名になったこと、楽しみにしてくださる方がいらっしゃることが本当に嬉しい限りです…。

※緊急事態宣言が出て、延期も考えましたが、リアル参加ご希望の方も多く、会場に問い合わせましたら、コロナ対策徹底すれば使用可能とのことだったので、ZOOMを併用して、予定通り開催することにいたしました。

今回、浮世絵彫師・朝香元晴氏とお弟子さんのご厚意で「写楽の浮世絵鑑賞会(複製)」ができることになり、二部屋借りて、最大
120名収容可能でかつ換気機能設備の場所にいたしました。(部屋の半分は展示コーナーにします)

また浮世絵講座参加者の方々には、今回詳しくお話する写楽の浮世絵ノートをお渡しできればと思っています。(発注したのが間に合って良かった


明日はどうぞ宜しくお願いいたします。


そして、こちらは、部屋に飾ってる歌麿カレンダーの複製浮世絵!
団扇を片手に襟元を正す美人。
この美人の髪型は、この当時(寛政時代)に流行していた、燈籠鬢とよばれる、向こう側が透けてみえ、燈籠の形に似ていることからもその名がついたものです。

団扇には「客のみか 風もたへせぬ 袖ヶ浦 このすみかこそ 涼しかりけり」という狂歌が入っていると、言われいますが、本当にこの読み方で良いのでしょうか・・?!(これは複製ですが、現物の浮世絵に描きこまれた狂歌を見ると、ここに書いた読み方以外の可能性があります・・!)

ちなみにこの複製浮世絵にはタイトルが入っていませんが、
現物の浮世絵には、画面左上に「南国美人合」と入っており、南国とは、品川を指すので、この美人は品川遊女であることがわかります。 
団扇に描かれた景色も品川なのでしょう。

この遊女の襟元に入った文字と、団扇の文字より、「このすみ」という名前の遊女といわれているのですが、果たしてそうでしょうか…?

(では、この遊女の名前なのでしょうか・・?)


ちなみに、襟元に文字を入れる趣向は役者絵にも見られますが(夕霧伊左衛門の紙衣など)、歌麿の心憎い演出がうかがえるこの作を、今年の美人画研究会で詳しくお話できればと考えていたりします♪


2/28美人画研究会

【お知らせ】

次回の美人画研究会は、228日(日)に開催いたします!


また、222日に昨年、舞台で共演した俳優さんがレギュラーのラジオ番組で、美人画研究会のことを宣伝できることになりました


どうぞよろしくお願いいたします。

2021年

1月

11日

畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座につきまして

寒気ことのほか厳しい日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。

 

◆1月31日(日)の「畑江麻里の初心者で楽しめる浮世絵講座」つきまして

緊急事態宣言が出てしまい、延期も考えましたが、リアル参加ご希望の方が多く、会場(区の施設)に問い合わせをしましたら、コロナ対策を徹底すれば使用可能とのことでしたので、ZOOMを併用して開催したいと思います!

区からの要請が出てしまった場合は、オンライン化して開催いたします。

 

※今回の講座は、Instagramを中心に募集をしまして、お陰様で定員になりました。

 

※美人画研究会は、2月28日(日)にZOOM併用で開催予定です。

 

去年の今頃は祖父のことで悲しみと絶望の日々でしたが(祖父は2019年の年末に他界してしまいました・・)亡き祖父母が天国から応援してくれているような気がするので、頑張りたいと思います!

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

2021年

1月

05日

畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座

新年のご挨拶と浮世絵講座につきまして

あけましておめでとうございます。

昨年は、初めてシンポジウムで登壇したり、舞台や映画のオンラインイベントに出演したりと貴重な経験ができ、充実した年になりました。

 

至らない点が多いかと存じますが、本年も何卒よろしくお願いいたします。

 

【1/31浮世絵講座につきまして】

昨年12 月より、インスタグラム(@hataetti)と併用して募集しました、

1月31日(日)開催予定の「第一回 畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」にご参加のご連絡頂きました方々、誠にありがとうございました。

とても嬉しく存じます。

 

お陰様で、定員近くになっており、予定より早く今週中に募集を締め切る予定でおります。

 

会場参加ご希望の方が多く、会場で少人数で開催できればと思っておりますが、緊急事態宣言によって、オンライン化(もしくは延期)しようかとも検討しております。

 

変更する場合は、あらためて参加者の方々にお知らせいたします。

 

誠に恐れ入りますが、よろしくお願い申し上げます。

2020年

11月

23日

映画『宮城野』の魅力を監督と語ります♪

明日は、浮世絵コンシェルジュとして、映画『宮城野』の魅力を映画監督と語るオンライン・トークイベント収録の日…!

◆映画『宮城野』について

この映画は、写楽の浮世絵をモチーフにしたもので、まるで舞台を見ているかのような感覚におちいります!

一貫して、美しい女性を描いた浮世絵を「美人画(びじん)」と呼ぶのではなく、江戸時代に実際に呼ばれていた「美人絵(びじん)」で通されていることや[*1]、

役者の顔貌の描き方は初代歌川豊国の『役者似顔早稽古』(役者をうまく描くコツを教えた絵手本)に記されている通り、

鼻→口→目→眉→顔の順に描いていること、さらに現代浮世絵師の石川 真澄氏が手タレになっていることなど、細部まで拘り抜いている点が圧巻です。

[*1] 「美人画」という言葉は、明治40年の文部省美術展覧会より作れた言葉で、江戸時代は、「美人絵」、「女絵」などと呼ばれており、「美人画」と書いてある浮世絵も、「美人画(ゑ)」と呼んでいます。

 

特に印象的だったのが、舞台セット。背景の歌川広重の名所江戸百景風の名所絵は幕末に刊行されたものであり、実際には、この映画の写楽の時代には刊行されたものではないものの(舞台セットのものは、画題も変わり、改印も消されていますが)あえて哀愁感のある広重の名所絵を使用することで、宮城野の哀愁漂う感じと絶妙にマッチしていて、非常にしっくりきました。

https://camp-fire.jp/projects/319759/activities/204988#main

さらに、豪華キャスト・片岡愛之助さんのクローズアップの「見得」を用いた歌舞伎、毬谷友子さんに合わせて女流義太夫が登場する「義太夫の出語り」、映画にあまり取り入れられることのない「だんまり」など、歌舞伎好きの山﨑監督だからこそ撮影できた演出も、この映画の最大の魅力だと感じます。

 

この映画に登場する浮世絵師・東洲斎写楽。

写楽とは、何が謎なのでしょうか…?

一般的に、素性がよくわからない絵師で、
わずか10ヶ月ほどで150点近い絵を描いたことなど
いわれています。

江戸時代の写楽の名声は、現在ほど高くはなく、
特に人気絵師ではありませんでした。

しかし、なぜデビューしてすぐ高価な雲母摺の浮世絵を刊行することができたのでしょうか…?!

この謎について考えられることは、明日のオンラインイベント
そして、
1月31日の浮世絵講座で
詳しくお話できればとも思います♫


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◆2021年1月31日(日)
13時30分から16時30分
「畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」

※会場の詳細は、参加者にお知らせします

浜松町(大門)から徒歩4分
(当初予定した浜松町の場所とはまた別)
換気可能なコロナ対策バッチリの大教室を借り
少人数で開催予定

◆2021年2月28日(日)
「第26回 美人画研究会」
会場は、決まり次第ご連絡します

お問い合わせなど
コメントやDMまでご連絡ください〜♪

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2020年

10月

16日

舞台「浅草夢やしき」に出演しました

無事に舞台の千秋楽を迎えました!

舞台「浅草夢やしき」
10月9日に初日を迎え、11日に無事に千秋楽を迎えることができました!
お足元の悪い中、舞台を観にいらして下さった方々、応援のお言葉を頂いた方々、
本当にありがとうございました!!
初めて芸者・タマ子役で出演し、大変貴重な経験をすることができました✨
舞台の約1カ月前に出演が決まり、
(浮世絵研究者として招いてくださった美術館での講座と日程が重なり、一度舞台をお断りしてしまいました…)
そんな自分がプロの役者さん達に混じって大丈夫なのかと、不安ではあったものの、気さくに話し掛けて下さる優しい役者さんばかりで、千秋楽を迎えたらなんか寂しくなる位、楽しかったです!
また10月10日のみご出演の
大御所俳優・堀田眞三さんと同じ舞台に立つことができ、堀田さんから、「存在感があって華やか」とのお言葉を頂いたこともすごく嬉しかったです…
舞台稽古を重ねるごとに、セリフをどんどん増やして下さり、さらに日本舞踊を舞台ど真ん中で踊った後、美人画研究会の宣伝を長々とすることをご提案してくださった監督、演出家の方々にも本当に感謝の気持ちでいっぱいです…
千秋楽の後は、コロナ感染拡大防止のため打ち上げの飲み会は禁止だったのでそのまま自宅に帰宅しましたが、
夫が夕ご飯を用意してくれていました…!
そして、いま@hataettiで更新中のInstagramのストーリーに写真や動画をアップしていますが、GoToトラベルを利用し、沖縄におり、舞台で宣伝させて頂いた浮世絵講座や美人画研究会の内容をゆっくり考えています♪

2020年

10月

10日

舞台初日を迎えました!

舞台「浅草夢やしき」に出演

舞台「浅草夢やしき」
昨日、無事に初日を迎え、早いもので明日で千秋楽になります!
多くの方々がお足元の悪い中いらして下さり、本当に嬉しい限りです…
私は芸者・タマ子役で、オムニバス形式のこの舞台に、シーン②と⑦後に少しと
シーン⑤メインで出演しています!
日本舞踊を舞台で踊った後、私が主宰している
美人画研究会の宣伝までする場面もあり、
意外にたくさん出てていて、
セリフも沢山あって驚いたと言われております笑

こちらの素敵な花束は、
以前お仕事を一緒にさせて頂いた
ほーりーさんこと堀口茉純さんから頂きました・・!
(心より御礼申し上げます)

こちらは、初日1番初めの15時の会に、いらして下さった女子大生の方との写真。

この舞台、コロナ対策でいらして下さった方々との写真撮影や挨拶も基本的にNGだったものの、最初の会は人数が少なく奇跡的に会えたので、
記念にアップしました。

次の19時からの夜の部はじめ、コロナ対策でいらして下さった方々全員には会えず、またお会いできても人数が多い会は、一緒に撮影することができず非常に残念ではありました・・
またシーン②にも私の台詞があり、それだけしか出ないと思われたらしく、シーン②だけ見て帰られてしった方も数名いて、私がメインで出るのはシーン⑤だと事前にしっかりお伝えすべきだったと反省する・・
会えない方が多かった中、お会いできた方々とのお写真、個人的にお送りさせて頂きますね!

 

今回の舞台でお会いできなかった方々、来年の美人画研究会で同じ衣装をきますので、一緒に撮影しましょう♪
頂いたチョコやお菓子、栄養ドリンクで千秋楽まで乗り切りますね✨
そして、本日10月10日のみ堀田眞三さんが出演され、なんと一緒の舞台に出演できました…!!
明日の千秋楽も頑張りたいと思います!!

2020年

9月

24日

舞台「浅草夢やしき」出演決定

来月公演の舞台に、芸者タマ子役で出演します!

来月、10/9、10、11に浅草で公演の

舞台「浅草夢やしき」に芸者タマ子役で出演します!


ようやくしのぎやすい季節となりましたが、

いかがお過ごしでしょうか。


この度、来月浅草で公演の舞台に、芸者・タマ子役で出演することになりました。

 

浮世絵研究者として招いて下さった美術館での連続講座の日程と重なり、一度お断りしてしまった舞台だったにも関わらず、

歌麿のおひさの生まれ変わりの絶世の美女、

浅草美女屋の芸者・タマ子役を脚本を作り直して作って下さり、本当に感謝です・・


 

 雷5656会館館長·石田透さん定年退職記念公演『浅草夢やしき』 

 

※私が主宰する「美人画研究会」が舞台協力になりました!

 

 

かつて東映映画で活躍した堀田眞三氏と

同じ舞台に出演できるとは夢にも思いませんでした・・

 

 

【舞台公演情報】

2020年10月

  9日(金)15:00 19:00

10日(土)13:00 17:00

11日(日)11:00 15:00

 

チケット:5000円

会場:雷5656会館5階「ときわホール」

住所:東京都台東区浅草3-6-1

 

※チケットご予約※

コロナ対策徹底で、劇場での購入ができないため、

畑江まで直接ご連絡お願いいたします~♪

ukiyoe.concierge@gmail.com

 

会場は、ソーシャルディスタンスを保ちながら

客席300席を半分以下にして(100席にする予定)

 

コロナ対策徹底での公演です!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

この舞台出演がきっかけで、大学時代にお世話になった

渋谷円山町の芸者・鈴子姐さんに9年ぶりに再会しました!

 

 

 

鈴子姐さんは、大学時代の必須授業で全く踊れなかった日本舞踊を

ものすごく丁寧に教えて頂き(学生時代は日芸映画学科演技コースで、

必須授業の日本舞踊の単位を取れないと卒業できなかったのです・・)

とてもお世話になった恩人です!

 

舞台では踊りを舞うシーンもありますが、日本舞踊はもう何十年も習っていないので、大目に観ていただけますと幸いです。

 

 

今回演じる芸者タマ子は関西出身の絶世の美女という設定で、

自分で良いのだろうかとうこともありますが、

精一杯頑張りたいと思います。

 

想像以上に多くの方々がいらして下さること、心から感謝しております。

 

今回、この記事をご覧になった方、

もしご都合よろしければ、是非お越しいただければ嬉しいです。

 

どうぞよろしくお願いいたします♪

2020年

9月

07日

第24回 「美人画研究会」

第24回美人画研究会をZOOMによるオンライン併用で開催いたしました

9月5日(土)第24回美人画研究会をZOOMによるオンライン併用で無事開催いたしました。(会場は、コロナ感染防止のため、15名限定とさせて頂きました。)

 

お忙しい中ご参加いただいた方々、誠にありがとうございました。

 

 開催後に、個別に「参加してとてもよかった」「すごく勉強になった」

「とても楽しかった」「次回も参加したい」等々、たくさんの

メッセージを頂き、心より嬉しく思っております。

 

すぐに返信が出来なくて恐縮ですが、必ず返信いたします!!

 

【ご報告】

最初にご報告で恐縮ですが、美人画研究会の際にご案内した、

私が芸者役で出演することになった舞台(10月9、10、11日公演)のチラシに、「美人画研究会協力」が入ることになり(チラシ表紙の協力欄をご覧ください)、

さらに、台詞の中にも、「美人画研究会」が入ることが決まりました!

 

10月10日は美術館での連続講座があり、舞台のお話頂いた際、一度お断りしてしまいました。しかしコロナで講座中止となったことをお伝えしたら、一カ月前にも関わらず、急遽芸者役を作って下さり(当初の役はもう決まってしまったので)、さらに美人画研究会が舞台協力になったので、本当に感謝です・・

 

そして、浮世絵鑑賞会の際に鑑賞した畑江コレクション(笑)の中の

・喜多川歌麿《高島おひさ》

・歌川国貞《今風化粧鏡(合わせ鏡)》

 

の複製浮世絵も舞台の中に登場する予定です♪

【活動報告】
今回、初めてのZOOMによるオンライン併用の会となりましたが、美人画研究会顧問の原島博先生(東京大学名誉教授)のご協力のもと、日本顔学会のアカウント使用により無事に実施できました。
日時:2020年9月5日(土) 13:30~17:00
Zoom使用のオンライン開催
※発表場所:五反田会議室・・・コロナ感染防止のため人数制限をしており、15名限定
①「浮世絵美人から林静一へ―江戸から現代までの女性表現に着目して」 畑江 麻里
②「人工知能が美人画を描く日は来るのか~画像処理技術の限界と今後」 栗原 雄一
③「モーフィングで辿る美人画の変遷—鳥毛立女から令和の美人画まで」   松永 伸子
④浮世絵鑑賞会 初公開!高見澤版・喜多川歌麿《高島おひさ》ほか (複製浮世絵)
解説:畑江 麻里

 

取り急ぎ、研究会の写真をアップいたします!

発表後は、質疑応答&ディスカッション。

ZOOM参加者とはチャットでのやり取りをしました。

休憩前に、Zoomでご参加の方と、会場参加の方々と記念撮影をしました。

こちらのお写真は、10月3〜4日開催の日本顔学会大会での美人画研究会活動報告の際に使わせて頂きます。

大会については、こちらをご確認ください。

http://www.jface.jp/jp/

※私は舞台の一週間前で、参加が難しくなってしまったため、クリエイティブ松永さんに美人画研究会の活動報告をお願いしています。


そして、休憩後のご発表。詳しい内容は、美人画研究会のホームページに掲載いたします。


そして最後の浮世絵鑑賞会は、最初にZoom参加者の方にご説明した後に、会場参加の方々と鑑賞しました。

2020年

9月

03日

【お知らせ】

①舞台の出演 ②映画「宮城野」オンラインイベント ③9月5日(土)美人画研究会

【お知らせ】
①舞台の出演(10月9.10.11日公演)
②映画「宮城野」“インターナショナル版制作のため”の
クラウドファンディング オンラインイベント
③9月5日(土)美人画研究会

◆舞台出演について

10月10日、中山道広重美術館の連続講座で
「広重とジャポニスム」を講演する予定だったのですが(写真1)コロナの影響で中止に
なってしまいました…泣

一昨日、中止の連絡を受けて悲しみに暮れたものの、

実は、今年、脚本家の方より舞台のお話を頂いたことを

思い出し、

(舞台公演と美術館講座が同じ日程に重なり、

舞台は一度お断りしました)

講座が中止になったことをお伝えしたところ、

当初の役ではないものの、急遽、芸者の役を今から

作るとのことで、舞台に出させて頂けることに

なりました!!


江戸の文化を広めている方とのことで、チラシに

2枚目の写真の一部が載る予定です笑

詳細はまた後日お伝えいたします


◆映画「宮城野」オンラインイベントについて

11月下旬に、

映画「宮城野」“インターナショナル版制作のため”の

クラウドファンディング オンラインイベントに

浮世絵有識者として出演させていたくことに

なりました


「宮城野」の楽しみ方を語ります♩

まだご覧になったことない方は、Amazonプライムで配信しているので、是非ご覧ください!


ちなみにこのクラウドファンディングは、

9/10頃よりはじまるとのことです


山﨑監督は、

母校の日大芸術学部映画学科の大先輩なのですが、

95日の美人画研究会に

お忙しい中Zoomでご参加くださるとのことで

感謝です

◆美人画研究会について

95日(土)の美人画研究会に

興味を持って下さった方々、

本当にありがとうございました🙇‍♀️


会場でのご参加をご希望する方が

多かったにも関わらず、

ZOOMでしかご案内席できず、

申し訳ありません。。


Zoomはやはりちょっとと思われる方が

多いことも痛感いたしました。。


ご参加できない方にも是非

ご覧いただきたく、

国貞のこちらの作品の解説を書きました!


https://hataemari.jimdofree.com/浮世絵美人の作品解説/


note@hataettiではじめてみました



今回、歌川派の描く人物の描き方や、

この下絵についても美人画研究会で紹介します!


よろしければご覧の頂ければ幸いです。

2020年

8月

29日

9月5日の美人画研究会につきまして

たそがれ時の風の涼しさに秋の近さを感じるこの頃、
皆さまいかがお過ごしでしょうか。

9月5日(土)の美人画研究会(Zoom併用)
会場の方は既に満席になってしまっており、
興味を持ってくださった方、
申し訳ありませんでした。

Zoomはちょっと…と思われる方
多いかと存じますが、今月末までは
Zoomでご参加いただける方を募集しております。
こちらの写真は、
現代画家/イラストレーター
林静一さんの作品《おてだま》

この林静一さんの美人には、
ある大きな特徴があります!

それは一体どんな特徴でしょうか。

私の発表では、
この特徴が江戸の浮世絵から現代にいたるまで、どのように変化してたどりついたのか、
9月5日の美人画研究会で、見ていきたいと思います。

また美人絵と同様に浮世絵の主流なジャンルであった
役者絵の人物表現にも注目し、
浮世絵美人の女性表現をくわしくご紹介します。

2020年

8月

09日

第24回美人画研究会のご案内

美人画研究会のご案内

涼しい季節が待ち遠しい今日この頃
いかがお過ごしでしょうか。

この度、9月5日(土)13時30分より
Zoomによるオンライン併用で、
美人画研究会(アカデミックタイプ)
を開催することが決まりました!

これまでのアカデミックの会のように
30〜40名が集まるのは密になってしまうため
今回は、会場の定員15名としまして、
Zoomを中心に開催できればと思っております。

今回初めて取り入れるZoomのアカウントは

日本顔学会のものを使用し、

ミーティングホストは

原島博先生(東京大学名誉教授)に

お願いしております。


広報する前に大変恐縮ですが、
会場は既に満席に近くになっており、
(先月のシンポジウム等で参加希望のご連絡を
頂いた方々を優先させて頂きました)

今回、新たに取り入れるZoomによる
オンラインでのご参加をお願いできますと幸いです。

恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。





2020年

7月

26日

シンポジウムで登壇しました

今月19日に誕生日を迎え、

昨日25日は、すみだ北斎美術館にて開催された

シンポジウムでの登壇が無事終わりました!

誕生日メッセージはいくつになっても嬉しく、

メッセージ下さった方々にはこの場を借りて

心より感謝いたします。


昨日のシンポジウムは、初めて参加する理系の学会

・映像情報メディア学会

・研究イノベーション学会

の二つの学会が主催するもので、

Zoomによるオンラインも併用して

行われました。


自分は場違いではないかと不安でしたが、

推薦者の原島博先生はじめ、研究者や参加者の

方々からお褒めのお言葉頂き、来年の講座で

話してほしいとの話もあり、嬉しい限りでした

次は、1010日(土)に中山道広重美術館で

連続講座で「広重とジャポニスム」を

お話する予定です!


https://hiroshige-ena.jp/enjoy/course


また、その前に

96日の歌川広重の命日あたりに

美人画研究会を開催できればと思っております!


会場の都合で、5日か6日になるか

確認中なので(昨日、すみだ北斎美術館が

空いていれば使用できるかもしれないとの

お話もありましたっ)

また日程と場所が決まり次第、

広報したいと思います。


こちらのブログを更新していないことが多く恐縮ですが

今後とも、よろしくお願いいたします。


2020年

7月

13日

第23回 「美人画研究会」

先週末に開催した美人画研究会のご報告です。

この研究会は、研究発表をするアカデミック
絵を描くクリエイティブに分けて活動していますが、
この日は、後者の方でした。

コロナ禍の中で心配ではありましたが、
マスク着用、ソーシャルディスタスを徹底して
無事に楽しく過ごすことができました!

第一部は、美人画を描く画材紹介。
デュオ、パステル、色鉛筆を使って
描く3人の方に、画材や描き方を
紹介していただきました。

私は「デュオ」というものを初めて知ったのですが、
これは水性油絵で、
薄塗りも厚塗りもできる新しい画材とのことでした。
様々な技法を使って立体的にリアリティを
出す方法などを教えてくださいました!

パステルを使っている方は、
ソフトパステル、ハードパステル、パンパステル
の三種類をご持参くださり、その違いを実際に
画用紙に描かせてくださいました。

私は今回、パステルを初めて使ったのですが、
特にパンパステルの伸びの良さに驚きました!

色鉛筆を使って描いている方からは、
その技法や色の調合方法をご説明いただき、
初心者の私には、ホルベインの色鉛筆が安くて、
おすすめだと教えて頂きました。
(ほかに、ファーバーパステルもおすすめとか)

第二部では、今年2月の美人画研究会の開始前、

参加者の方々が着物の私を

撮影して下さり、それを元に絵を描いて

来て下さいました!


私は、この第二部で、どのような絵を参考に

ポーズをとったかなど

美人画のスライドを紹介しながら

簡単に話しました。


最後の写真は、色鉛筆を使って描かれている

方から頂いた渾身の作です



インスタグラム

@hataetti

@bijingakenkyukai

でも紹介してるので、

ご覧いただければ幸いです。



2020年

6月

07日

シンポジウムのお知らせ

【お知らせ】
昨日、2つの学会が主催するシンポジウムで
「浮世絵から現代の美人画へ」を
登壇する予定でしたが、コロナの影響で
7月25日(土)に延期になりました。(写真1)

場所は変わらず、すみだ北斎美術館ですが、  
入場制限するとのことです。

http://www.s-nakahara.com/ir/

無事開催してほしい限りです…

美人画研究会も何度も延期になってしまい
開催できず残念に思っているのですが、
気ままに更新してるインスタに
研究会の活動報告の記事(写真2)を
アップしたら、沢山の温かいお言葉を頂き
なんか明るい気持ちになりました✨

今後は感染対策に気をつけながら
少人数で絵を描くクリエイティブ中心に
活動できたらと思います♪

次回は今のところ7月12日(日)の予定です!

2020年

5月

31日

美人画研究会の活動報告が取り上げられました

昨年末のポーラ文化研究所での資料閲覧会、
今年2月に開催した研究会の活動報告が
日本顔学会ニュースレターに取り上げられました!

ちなみに私が手に持っているのは、
前回、美人画研究会の活動報告が取り上げられた
ニュースレターと、第22回の研究会の際
誰でも美人が描けるようになる
「ベッピン福笑い」です。

2020年

2月

10日

第22回 「美人画研究会」

第22回 美人画研究会

2月9日(日)今年最初の
「美人画研究会」を無事開催しました!

去年は研究発表中心のアカデミックタイプと、
絵を描くことが中心のクリエイティブタイプと
分けて活動しましたが、今回は合同で行いました。
私は今回
①浮世絵にみる小野小町ー鈴木春信《風流やつし七小町》を中心にー
②歌川広重と西洋の画家たち

の二つの発表をしました。

①は前回のクリエイティブの美人画研究会の
ディスカッションで時間切れて話せなくなった
内容を深めたもの。

②は、稲垣進一先生に「歌川広重の美人画」
というテーマでお願いしたので、
その前座で話したもの!

東観崎氏による
絵が下手な人でもパーツを置けば
美人な女性の絵が描けるようになる
お手製の福笑い、
稲垣先生が所蔵する浮世絵を間近で
手に取って観れる浮世絵鑑賞会。

どれも盛況に終わりました!

研究会に参加して下さった方、
気にかけてくださった方々、
ありがとうございました。

今回アップした写真はほんの一部なので
美人画研究会のホームページや
インスタ、Facebookに
徐々に投稿していけたらと思います。
研究発表の前にクリエイティブの方々が
会場近くの芝離宮で撮影して下さいました。

これらの写真が、
4月19日の美人画研究会(クリエイティブタイプ)
時に絵になるので楽しみ♪

2020年

1月

26日

今年初の美人画研究会のお知らせ

【お知らせ】
今年第1回目の美人画研究会を
2月9日(日)14時より、
浜松町レンタルスペースにて開催いたします。

通算22回目の研究会ですが、
今回はA/アカデミックタイプに、
C/クリエイティブのワークショップも交えた、
Bタイプ(Between)の会 となります。

今回は小さな会場ですが、是非皆様にご参加賜りたく、
ご案内申し上げます。

今回ご参加の方に限り、
畑江「大正期・複製浮世絵における高見澤治」
(2018年発表)の論文の抜刷りを差し上げます。

年末に祖父が他界し、
新年のご挨拶ができませんでしたが、
本年もよろしくお願い致します。

2019年

11月

12日

「HC塾第100回記念講演会」と美人画研究会のお知らせ

先日、9月28日(土)美人画研究会の顧問でもある原島博先生(東京大学名誉教授)の「HC塾第100回記念講演会」が東京大学福武ホールで行われました。
至らない点が多く大変恐縮ですが、私はこの記念パーティの司会という大役をさせて頂きました。
カメラマンの方が写真を撮って下さったので備忘録のため、こちらにもアップしました。
【お知らせ】
美人画研究会では随時「美術館巡りの会」や「個展訪問の会」などを企画しております。
この秋冬は以下のような「美人画資料閲覧会」を企画しました。
今年6月に「日曜美術館」(NHK)で取り上げられた岡田三郎助(明治~昭和初期に活躍した洋画家)は、着物姿の女性を描き、独自の美人画を生み出しました。
後ろ姿の美しい《あやめの衣》を所蔵するポーラ美術館への「美術館巡り」をしたいところですが、少々遠方になりますのでなかなか実現できずにいたところ、昨年末~今年初めに同美術館で開催した「モダン美人」の展示に出されていた「主婦の友」の表紙画を東京都品川区にあるポーラ文化研究所で所蔵されていることが分かりました。
これは当時の一般女性をモデルに描いた美人画です。
また、素人女性の日本初となる美人コンテストの写真集『日本美人帖』(主婦の友社)も所蔵されています。
ポーラ文化研究所は、日本顔学会の副会長であった
故村澤博人先生が所長をされていた研究所であり、
日本顔学会との関係も深く、同学会の公認サークルである美人画研究会の閲覧申し込みを快くお引き受けくださりました。
是非この機会にポーラ研究所の資料を見せていただき、今後の美人画研究や創作に役立てていきませんか?
 
 日時:2019年12月11日(水)  PM5:00~PM7:00 (2時間限定)
 場所:ポーラ文化研究所 品川区西五反田2-2-10 ポーラ第2五反田ビル
 募集人数: 10名まで
 


★最後に…

こちらのホームページは、無料のものを使用しているため、容量がいっぱいになってきてしまいました。。

写真が表示されるまでに時間がかかってしまっているかと思います。

近況等々、
Instagramでも報告できればと思います!

「hataetti」で登録して随時更新していますので、
もしよろしければご覧頂ければ幸いです。

2019年

9月

22日

美人画研究会 6人展(クリエイティブ)

美人画研究会クリエイティブ会のメンバーによる

初のギャラリー展がはじまりました!

 全く違う感性、画材の6人の描いた美人画を

ご覧頂けます。


今日はオープニングで渡せなかった母の誕生日プレゼントを届けに、再度展示を観に行ってきました。


開催してから意外に多くの方々がいらしていることに驚いています。



会期は2019年9月20.21.22.26.27.28日

午後1時から7時まで。最終日5時まで。

京橋1丁目ギャラリー・オルテールにて。



2019年

7月

07日

第20回 美人画研究会

2019年7月6日(土)

「第20回美人画研究会(アカデミックタイプ)」を開催いたしました!

(美人画研究会主催:畑江麻里)

 

お陰様で、2014年の発足時から

アカデミック・クリエイティブ含め

今回で20回目を迎えることができました。

 

会を重ねるごとに若い学生さんの参加も見られるようになり

40名近くの方々が集まって下さり、本当に嬉しかったです。

 

また今回、中山道広重美術館の方が美人画研究会のために

岐阜からいらして発表して下さり、会がより一層盛り上がりました!

 

ちなみに今回、私は参加者の方からもう一度聞きたいとのご意見頂き

今年3月末に竹久夢二学会でお話した内容の一部をお話しました。

 

詳しい報告は、美人画研究会のホームページに

掲載できればと思います。

 

担当:畑江麻里

2019年

5月

24日

美人画研究会の活動報告


「美人画研究会」の活動報告が日本顔学会のニューズレターに取り上げられました!


※日本顔学会とは人間の顔貌を様々な切り口で研究している学会です。主に歯学や工学、化粧文化学、心理学など多くの研究者や職業の方が会員になっています。

美人画研究会はこの学会の公認サークルとして活動しています。


今回の記事は、執筆者の松永さんが主催する

絵を描く「クリエイティブタイプ」の会が中心に

書かれています。


もしよろしければご覧頂ければ幸いです。

こちらは、カラーの写真です。


次回の美人画研究会は、
7月6日(土)13時より開催することが決まりました!

日時 : 7月6日(土)

時間 : 13時から17時

場所 : 拓殖大学文京キャンパス
丸ノ内線の茗荷谷駅から徒歩5分

プログラムにつきましては、
1ヶ月前の6月6日頃にお知らせしたいと思います。

アカデミック美人画研究会
担当:畑江麻里

2019年

5月

09日

『LOTSU』第39号に論文掲載されました

新緑の美しい季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

令和に改元されてから初めての投稿です。

この度、昨年秋に日本フェノロサ学会にて研究発表しました論文

 

「大正期「複製浮世絵」における高見澤遠治

―その卓越した精巧さの実見調査と、岸田劉生らに与えた影響の考察―」

畑江麻里

 

が日本フェノロサ学会機関誌『LOTUS』第39号に掲載されました。

学会誌に掲載された論文の抜き刷りが出来上があり、今回の論文で取り上げた

高見澤遠治のご遺族・高見澤たか子様にお送りしましたところ

「一生懸命書いてくださったことがわかり、とても

胸打たれました」

「才能はあっても結局は孤独な天才であった遠治にとって、

後世になってこのような光が当てられることなど予想しなかったと思います。

あなたのような研究者の目に留まり、こうしてその短い生涯を明らかにしてくださって、さぞ喜んでいることでしょう。」

 

と、身に余るお言葉を頂き

仕事と両立しながら毎日徹夜で挑んだ努力が

報われた気持ちになりました。。泣

 

今回の論文を執筆するにあたり、

遠治の貴重な作品や資料を調査させて下さり、

また美人画研究会にもいらして下さった

高見澤たか子様。

 

先行研究がほとんど皆無で、

これまで研究対象から外されていたといっても過言でない、

高見澤遠治と彼の作品の調査・研究に挑んで本みて本当に良かったです・・

 

論文の構成

「大正期「複製浮世絵」における高見澤遠治

―その卓越した精巧さの実見調査と、岸田劉生らに与えた影響の考察―」

 

はじめに

第一章 「複製浮世絵」出現の背景と高見澤遠治の登場

(一)「複製浮世絵」出現の背景

(二)大正期の「複製浮世絵」

第二章  大正期における高見澤遠治の複製浮世絵

(一)『高見澤遠治版畫規定』に記された遠治の作品

(二)遠治の複製浮世絵を見分ける汎用的方法論の提唱

第三章 岸田劉生らの評価と高見澤遠治の存在意義

(一)吉田幸三郎と遠治の関係

(二)岸田劉生と当時の研究者達からの評価

(三)研究目的の挿絵としての機能と遠治の存在意義

結語

 

2019年

3月

23日

竹久夢二学会で研究発表

2019年3月30日(土)

竹久夢二学会で研究発表することになりました。
「竹久夢二の「美人画」の線
ー現代浮世絵彫師の作品の分析からー」
畑江麻里
 
前回の美人画研究会で、楊洲周延の発表をした際、夢二の時代と近いので「竹久夢二学会」で発表してほしいと頼まれまして、今回このテーマで研究発表することになりました。
鈴木春信・喜多川歌麿に代表される浮世絵美人画は江戸時代だけでなく明治時代にもあり、竹久夢二が大正期に突然登場したのではなく、その前に明治の美人画の隆盛や構築があったのです。
 
では今回の発表でなぜ現代浮世絵彫師の作品を切り口にしたのかというと、美人画研究会の鑑賞会で、岡部昌幸先生の所蔵する美人画コレクションを鑑賞した際、その中に竹久夢二の《女十題》の複製版画があり、この作品の彫を担当した朝香元晴氏が参加して下さったため、あらためて複製版画の価値を認識し、朝香氏は夢二の複製作品の中心的な彫師であるため、今回取り上げることにしました。
 

2019年

3月

10日

美人画研究会の浮世絵鑑賞会

「第18回美人画研究会」にて、稲垣進一先生(国際浮世絵学会常任理事)の所蔵する浮世絵を一人一人手に取って間近で鑑賞させて頂きました。

こちらは歌川国芳の美人画ですが、

左がオリジナルで右が複製!

オリジナルと複製の紙の厚さを実際に指で触って比較するという、博物館・美術館では絶対できない体験ができました✨


今日は、浮世絵鑑賞会で手に取って間近で観た、こちらの作品をご紹介します。

歌川国芳《縞揃女辨慶  勧進帳》

天保15年(1844)大判錦絵 ※実物の浮世絵です


黒と白の格子柄「弁慶縞」の着物を着た女性たちの生活の一場面を武蔵坊弁慶の逸話に見立てた全10枚のシリーズの内の一枚。

この女性が真剣に見ているのは、当時最も普及した暦の「伊勢暦」です。この伊勢暦の表紙の題箋に「天保十五甲辰暦」とあるので、このシリーズの制作年が判ります。

タイトルにも狂歌にも「勧進帳」とあるように、伊勢暦を読むこの女性は、勧進帳を読み上げた弁慶に見立てられています。

2019年

2月

18日

第18回 美人画研究会

2月16日に「第18回美人画研究会(アカデミックタイプ)」を拓殖大学文京キャンパスにて開催しました!

(美人画研究会主催:畑江麻里)


お忙しい中お越し下さった方々、本当にありがとうございました。


仕事をしながら美人画研究会の運営、発表、司会、懇親会の準備を一人で行うのはかなり大変でしたが、大盛況に終わりとても嬉しかったです…

 



参加者の斎藤さん(テレビチャンピオン似顔絵優勝者の方)が、研究発表の後に行った浮世絵・美人画鑑賞会のビデオをユーチューブにアップして下さいました。

もしよろしければご覧ください。

 

https://youtu.be/tHo-W_AZW1Q

当日の報告は、美人画研究会のホームページにもアップできればと思います。

【研究会の内容】
第1部 
主催者挨拶       畑江麻里
「明治の美人のファッションー楊洲周延を中心にー」
畑江麻里
若手研究者による次回の発表
「内面美の探求Ⅱー絵画が語る内面美の種類と特徴ー」
成瀬康人
コーヒーブレイク・ディスカッション

第2部
「歌麿の美人画ー《姿見七人化粧》と彫師・朝香氏の複製浮世絵ー」
畑江麻里

浮世絵鑑賞会
「稲垣先生所蔵 歌麿《ポペンを吹く娘》の版木と浮世絵の解説」

絵画鑑賞会・懇親会
会場 拓殖大学文京キャンパス
第一部
「明治の美人のファッション
ー楊洲周延を中心にー」   畑江麻里

「内面美の探求Ⅱ ー絵画が語る内面美の種類と特徴ー」
成瀬康人


第二部
「歌麿の美人画
ー《姿見七人化粧》と彫師・朝香先生の複製浮世絵ー」
畑江麻里

【浮世絵鑑賞会】
稲垣進一先生所蔵「喜多川歌麿《ポペンを吹く娘》の版木と浮世絵の解説」

稲垣先生が所蔵する歌麿の《ポペンを吹く娘》の版木と浮世絵をはじめ、江戸中期から後期までの現物の浮世絵を一人一人、手に取って間近で鑑賞させて頂きました。


研究会の後は、教室を移動して、
大学ラウンジへ。
岡部先生による美人画鑑賞会を行いました。
渡辺省亭《今様美人図》明治19年(1886)絹本着色
岡部先生による作品解説。

有島生馬《南米の女》墨・紙 

田口省吾《少女像》

マリー・ローランサン《少女と犬》1930年代 リトグラフ

2019年

1月

07日

学会誌『LOTUS』論文掲載が決まりました!

明けましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

私事で恐縮ですが、昨年、日本フェノロサ学会研究大会(於東京藝術大学)にて発表しました論文が、査読の結果、学会誌『LOTUS』第39号(2019年3月末刊行)に掲載されることが決まりました!

「大正期「複製浮世絵」における高見澤遠治
ーその卓越した精巧さの実見調査と、岸田劉生らに与えた影響の考察ー」

◆査読講評
・浮世絵研究にあたって、高見沢版の名前はよく知られているが、版画それ自体の複製の問題から贋作と見なされたり、あらぬ汚名を着せられたりしてきた。今回の論考は、先行論文の検証に加えて、かつてない実証的な資料や聞き書き調査によって、その真実に迫った有意義な研究であったことを挙げたい。
・これまで先行研究がほぼ皆無といえる高見澤遠治に関する、綿密な調査による研究成果として大変貴重な論考と考えられる。

2018年

11月

27日

ゲストスピーカーとして講演してきました

2018年11月26日(月)

文教大学の授業にて、浮世絵をテーマにゲストスピーカーとして講演してきました!

 

なぜ私が選ばれたのかというと、2年ほど前の「美人画研究会」での発表を聞きにいらして下さった先生からお声掛け頂いたからです。

大勢の学生を前に大教室で話すのは、学会発表とはまた違った緊張感がありましたが、なんとか1時間半、話し切ることができました!

 

この講演の途中で、2019年2月16日(土)に拓殖大学文京キャンパス(丸の内線茗荷谷駅から徒歩5分)で開催する「美人画研究会」(畑江担当)の案内を少しだけさせていただきました。

次回の美人画研究会は研究発表&絵画・浮世絵鑑賞の会です。

場所が拓殖大学なので、湘南にある文教大学からだとかなり遠いですが、興味をもってくれた学生さんがいたので嬉しかったです。

 

この講演の記録写真と映像を文教大学の学生さん(日本学生観光連盟の矢島優樹君と多胡翔君)が様々なアングルから撮ってくれたので、とても良い記念になりました!

 

2018年

9月

28日

【日本フェノロサ学会 研究発表】 無事に終わりました!

2018年9月28日(金)東京藝術大学にて開催された日本フェノロサ学会での研究発表「高見澤遠治と大正期「複製浮世絵」の勃興」が無事に終わりました!

会長からお褒めのお言葉をいただき、意外に好評だったので本当に嬉しかったです・・・

 

 今回の発表で取り上げた高見澤遠治(1890~1927)は、江戸以来の高度な木版技術により、大正期に優れた複製浮世絵を制作した最たる人物です。

 遠治はあまり知られていませんが、日本文化の保護、育成に生涯を捧げた吉田幸三郎(1887~1980)から「浮世絵保存刊行会」という会員制の複製浮世絵の頒布形式の制作をすすめられ、この刊行会の会員となり遠治の複製浮世絵を多く蒐集し、親友にまでなった岸田劉生(1891~1929)からもその技術を高く評価された人物でした。しかし遠治は、晩年に松方幸次郎の浮世絵コレクションの復刻浮世絵の制作に抜擢されたにも関わらず、それを手掛けることがかなわないまま36歳という若さで死去してしまったこともあり、現在では正当な評価をされることなく忘れ去られた人物になってしまいました。

 

以下は学会で話した内容の一部と、レジュメなどです。


  今回も会長はじめ多くの先生方が学会誌への投稿をすすめて下さり大変恐縮しています。。

 

■先行研究と問題の所在

 高見澤遠治の経歴やその記録については、遠治の弟の娘である高見澤たか子氏によって詳細に伝わっていますが、遠治の制作した複製浮世絵やその仕事については、岩切氏が指摘するように、誇大的に遠治の様々な伝説が広まり彼の仕事の全貌が不明な事、遠治の仕事の全貌である展覧会が開かれたことがなく、遠治の作品であると確実にわかるものをこれまで見ていないこと、遠治のものと判定することが難しいことなどが指摘されており 、未だ遠治の手掛けた複製浮世絵についての研究論文はなく、遠治研究は全く進んでいないのが現状です。

 そこで、本発表では、高見澤遠治と彼が手がけた複製浮世絵に焦点を当て、遠治の複製浮世絵の存在意義について追求します。そして、吉田幸三郎や劉生との関係や当時の研究者たちの遠治の評価に留意しながら、複製浮世絵が勃興した大正期において、高見澤遠治は、一時代の複製浮世絵界を支えた存在として認知すべき、重要な人物であることを提示することを目的とします。さらに、吉田が大和絵同好会を企画し、大正8年より絵巻物複製の刊行に当たり、水準高い複製類の出版を行ったのは、遠治と組んで行った複製浮世絵が影響を与えた可能性も指摘します。

 

 

 

2018年

9月

27日

日本フェノロサ学会 研究発表

 9月28日(金)に東京藝術大学にて開催される日本フェノロサ学会にて、今年も研究発表することが決まりました!

※学会ホームページは更新されていませんが以下の内容で発表します。

 

発表題目:高見澤遠治と大正期「複製浮世絵」の勃興(仮)

会場:東京藝術大学上野キャンパス

 

発表内容:

 


明治維新以降、W.S.ビゲローに代表される海外の蒐集家達によって膨大な数量の浮世絵が購入され、国内の浮世絵価格が高騰したため、多くの人々が安価で楽しむ需要が起き「複製浮世絵」が登場した。これは渡邊版画店等による「新版画」と軌を一にした高度な技術によるものであったにもかかわらず、近年まで十分な歴史的評価、研究が行われてこなかったのは、浮世絵研究の基準と価値が依然として江戸期を時間軸にしていたためと思われる。実際は大正期に、岸田劉生(18911929)をはじめとする当時の美術愛好者や研究者達によって積極的な蒐集が行われていたのである。

本発表では、江戸期の伝統的技術を受け継ぎつつ、独自の高度な技術を駆使して優れた複製浮世絵を制作した最たる人物である高見澤遠治(18901927)とその作品を取り上げ、その後、現代まで発展する「複製浮世絵」の重要な意義を明らかにすることを目的とする。

 

※規定の400字以内にまとめて書いたものです。

2018年

7月

09日

第15回美人画研究会

2018年7月7日(土)

 第15回美人画研究会を無事開催することができました!(私が当研究会を担当するのは約1年半ぶりでした)

  この日、他の研究会などと開催日がかぶり参加者いないのではないかと懸念していたのですが、このような小規模な研究サークルに40名以上の参加者のお申込みがあり、予想を上回る程の大盛況だったので、心より嬉しく思っております。

 

  今回、私が発表した、複製浮世絵師・高見澤遠治のご遺族であられる高見澤たか子先生や、現代の浮世絵彫師・朝香元春先生とその版画教室の生徒さん達数十名もご参加下さいました。

 この集合写真は第2部がはじまる前に撮ったため、第1部のみご参加の方々は残念ながら写っていないのですが、美人画研究会顧問の原島博先生(東京大学名誉教授)や会場を手配して下さった岡部昌幸先生もご自身が主催されている塾や研究会の前に急いで駆けつけて下さいました。

お忙しい中お越し下さった方々、当研究会をサポートして下さる先生方に深く御礼申し上げます。

〜研究会の内容〜

 

第1部

「複製浮世絵師・高見澤遠治と江戸以降の浮世絵」

畑江麻里

「東郷青児の作品と生涯ー東郷式美人画の誕生」

岩崎達也

第2部

「歌麿の色彩美 世界で一番美しい歌麿はこれだ」

稲垣進一先生

浮世絵鑑賞会

 

 

研究会の内容は美人画研究会のホームページをご覧いただければ幸いです。








2018年

7月

08日

第15回美人画

2018年

7月

06日

美人画研究会 前日

いよいよ、明日7月7日(土)13時より拓殖大学にて、第15回美人画研究会が開催されます。
今回、思いがけず40人ほどの参加のお申し込みがあり(一部のみの参加者含め)とても驚いております。
また、私が発表する複製浮世絵師・高見澤遠治について興味を持って今回新たに参加してくださる方が20名ほどいたことも本当に嬉しい限りです。遠治は一般に全く知られていない知る人ぞ知る人物ですが、この発表をきっかけにいつか遠治フィーバーが起これば幸いです。
まだまだ勉強不足で恐縮ですが、これから浮世絵研究の中で全くやられていない複製浮世絵の歴史についても研究していけたらと思っています。
今からの参加のお申し込みは対応が難しくなってしまいますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

2018年

5月

18日

東京ステーションギャラリー「夢二繚乱」展 内覧会

友人が担当した超画期的な展覧会「夢二繚乱」が明日から、東京ステーションギャラリーにて開催されます!
今日はその内覧会に行ってきました🎵
千代田区九段南にある出版社、龍星閣の創業者であった澤田伊四郎氏が蒐集した1200点以上の夢二コレクションが千代田区に寄贈されたことを記念した展覧会なので、これまでの竹久夢二展では観たことがない初公開の作品ばかりが展示されていて、2時間半も見入ってしまいました。
第1章 夢二のはじまり
第2章 可愛いもの、美しいもの
第3章 目で見る音楽
第4章 『出帆』
夢二の展覧会というと美しい女性の肉筆画がメインになるものが多いですが、この展覧会は肉筆の美人画だけでなく、装丁本や絵本、絵葉書から自伝小説『出帆』の挿絵原画まであり、展示の仕方や見せ方も面白く、夢二の画業に多角的に迫った構成になっています!!    

夢二ファン、美人画ファンには待望の展覧会なので、是非お見逃しなく!!
5月19日(土)から7月1日(日)迄です❣️

2018年

5月

01日

「浮世絵モダーン 深水の美人!巴水の風景!そして...」展の内覧会へ

2018年4月20日(金)

町田市国際版画美術館「浮世絵モダーン 深水の美人!巴水の風景!そして...」展の内覧会に行って来ました!

この展覧会は、大正初期に登場した創作性の高い伝統木版の新版画を「浮世絵モダーン」と称して、橋口五葉や伊東深水、川瀬巴水などの傑作が約300点も展示される浮世絵ファン待望の展覧会です♪

この展覧会の構成は以下のようになっていて、各章ごとに撮影可能なコーナーが設置されています。

第一章 女性―近代美人画の諸相

第二章 風景―名所絵を超えて

第三章 役者―歌舞伎から新派まで

第四章 花鳥―求められる伝統性とその変容

第五章 自由なる創作―さまざまな画題と表現

※前期・後期と作品が変わるそうなので要チェックです!

 

2018年

4月

12日

匠木版画工房へ

浮世絵工房の「匠木版画工房ふれあい館(朝香伝統木版画教室)」に行って来ました。

卓越した彫の技術を持つこの浮世絵工房の彫師・朝香元晴先生と知り合ったきっかけは、今年の2月4日(日)に開催した美人画研究会でした。朝香先生の工房の生徒さんが美人画研究会に参加して下さり、(「美人画」と検索した際に「美人画研究会」を見つけて下さいました)この工房のことを知りました。

この工房の生徒さんに、私がいま高見澤遠治さんについて調査していることを話したところ、なんと朝香先生が高見澤遠治さんの弟の高見澤忠雄氏に師事していたとこのことで、早速お話をお伺いしに匠木版画工房ふれあい館へ行って来ました。

 

~朝香元晴先生が浮世絵の彫師になるまでをお聞きしたのでまとめてみました~

朝香先生が高見澤忠雄先生(私が現在調査している高見澤遠治さんの弟)に出会ったのは16歳の時だったそうです。忠雄先生の紹介で八重洲の事務所に半年いた時に「根気がありそうだから、京都に浮世絵の彫師の名人がいるから行ってみないか」との話があったそうです。しかしその時、朝香先生は実は芸大を目指していたらしく「芸大に行きたいのですが」と言ったところ、「そういう時間はない、すぐに行きなさい。世間の物心を知ってしまうとダメだから今行きなさい」と強く言われたそうです。「色気づく前に」と念押しされたそうで、(この「色気」とは世間の「色気」という意味だそうです)それで芸大に行くことをやめ、17歳になった時に、「もう行くしかない!」とのことで京都へ言って現在に至るとおっしゃっていました。

 

 詳しくは、朝香先生の浮世絵工房「匠木版画工房ふれあい館」

川瀬巴水《芝増上寺》大正14年(1925)復刻浮世絵
朝香先生が細かい雪の部分を彫っているところを見学しました。

2018年

4月

12日

複製浮世絵《當時三美人》

浮世絵の彫師・朝香元晴先生(匠木版画工房ふれあい館)が精魂込めて制作した複製浮世絵を拝見しました。

喜多川歌麿が寛政期のアイドル達を描いた代表作《當時三美人》(寛政の三美人ともいいます)

上から芸者の富本豊雛(芸富本節の名取り芸者)、画面手前右に水茶屋娘の難波屋おきた(浅草随身門脇の水茶屋娘)と、その左に高島屋おひさ(両国薬研堀の煎餅屋のおかみであり茶屋娘)

彼女達の顔は一見、同じように見えますが、それぞれ描き分けられています。目の大きさや鼻や眉毛の形など異なっています。

また、彼女達の髪の生え際の「毛割」の技法にもご注目下さい。

 

朝香先生はよく「こんなのすぐにできるでしょ」と何も知らない人に言われたりするそうなのですが、全くそんなことはありません!!この作品を制作するまでに、20年、30年。。。と地道に修行を積んでようやく完成の域に仕上がるのです。

一本一本の髪を彫り上げる「毛割」を手掛けるには、彫師の中でも最も高い技術を持つ師匠格の人間ではないとできないのですから、、気の遠くなる話です。。

2018年

2月

17日

第13回美人画研究会

2月4日 美人画研究会

遅くなってしまい恐縮ですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

先日、約1年ぶりに第13回美人画研究会に参加できました。
今回は、テレビチャンピオン似顔絵大会優勝者の斎藤忍氏のご発表や、昭和初期の美人画家・田中針水のご次男でいらっしゃる晃氏のご発表、そして浮世絵学会常任理事の稲垣進一先生のご講演とご自身でコレクションされた月岡芳年の浮世絵を皆で鑑賞するなど、盛りだくさんの内容でした。 
 
こちらの美人画研究会ホームページに活動報告を詳しくアップしておりますので、ご覧頂ければ幸いです。
 
 

2017年

12月

30日

2017年もありがとうございました

月岡芳年(大蘇芳年)の美人画シリーズ《東京自慢十二ヶ月》

2017年も残り1日になりました。今年もたくさんのメッセージ等々、ありがとうございました。

 今年最後の投稿では、ご質問等も受けた月岡芳年(大蘇芳年)の美人画のシリーズ《東京自慢十二ヶ月》についてご紹介したいと思います。

 

月岡芳年《東京自慢十二ヶ月》

明治13年(1880) 大判錦絵 版元:井上茂兵衛

 下記の作品は、当時有名な12人の芸者や遊女たちと、東京12ヶ月の名物風俗を組み合わせた美人画のシリーズです。

 1月の初卯詣、2月の亀戸の梅、3月の吉原仲の町の桜など、各月に応じた名物が選ばれていて、それぞれの地域に対応する女性が、新橋の芸者3名、柳橋の芸者が2名、日本橋の芸者が2名、大坂町の芸者が1名、吉原の花魁と芸者が各一名、品川の遊女1名、根津の遊女1名、というように選ばれて、名物風俗を彩っています。

 この時期、作者の芳年は数多くの美人画シリーズを手掛けていて、このシリーズでは、背景の写実的な風俗描写で名物の様子を紹介し、実在する芸者や遊女たちを歌川派美人の顔貌表現をベースに描いています。

(浮世絵展「美人画名品選―春信・歌麿から芳年・周延まで―」の展示コーナー解説参照)

 

下記の作品は、当時有名な12人の芸者や遊女たちと、東京12ヶ月の名物風俗を組み合わせた美人画のシリーズです。

 この美人画シリーズの作者、月岡(大蘇)芳年は、幕末から明治初期の浮世絵師です。嘉永3年(1805)の12歳の頃に武者絵の名手として知られていた歌川国芳に入門します。芳年が国芳の門をたたいたのは、武者絵を好んだからとも考えられます。

はじめは師・国芳の作風を踏襲した武者絵などを描いていましたが、明治維新の前後から戊辰戦争などに取材した残虐な「血みどろ絵」で注目を集めます。明治3年頃より神経衰弱に陥り、作画量減りますが、明治6年に回復すると、新たに「大蘇」(大きく蘇るという意味でしょう)と号します。現在では「月岡芳年」の名前が主流ですが、畑江の調査では、芳年の作品は「大蘇」と号した作品が最も多いです。

今回、一般的に主流な「月岡芳年」としましたが、「大蘇芳年」や「歌川芳年」でも間違えではありません。

 

 芳年は、西洋風の明暗表現を意識した歴史画はじめ、銅版画の陰影や、油絵の明暗描写を錦絵に積極的に取り入れ、新しい技法に挑んでいます。幅広い画題の浮世絵を手掛けていく中で、明治10年頃から美人画制作にも取り組み、新たな細かな描線を用いて、この《東京十二ヶ月》のように明治の美人画を代表する作品を数多く残したのです。

(浮世絵展「美人画名品選―春信・歌麿から芳年・周延まで―」の図録参照)

 

2017年

9月

07日

【展覧会情報】「鈴木春信」千葉市美術館

9月5日(火)「ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信」のレセプションにご招待いただき、心躍らせ千葉市美術館へ。

春信の作品は、約8割が海外の美術館に所蔵されているため、日本国内で作品を観る機会は限られていますが、今回千葉市で希少な春信の錦絵や絵本を一堂に観ることができます。ボストン美術館所蔵の春信作品を間近で観ることが出来、至福の一時を過ごすことができました。

 

この展覧会に取り上げられている鈴木春信は、浮世絵版画が誕生してから約100年後の明和2年(1765)に、高度な多色摺による錦絵の確立を成し遂げた浮世絵師です。和漢の古典文学を当世風俗に描く「見立絵」や、江戸の庶民に広く知られ人気を得ていた「評判娘」を描き、一世を風靡しました。

春信は修士論文で取り上げた思い入れの強い絵師なので、この期間にあと3回は観に行きたい・・

2017年

7月

10日

展覧会情報

浮世絵展「美人画名品選―春信・歌麿から芳年・周延まで―」

某区立郷土博物館で、7月22日~8月20日(前期)、8月22日~9月18日(後期)「浮世絵展 美人画名品展―春信・歌麿から芳年・周延まで―」が開催されます。同館は、松方コレクション413点を格とする、約1300点もの浮世絵を所蔵しています。前期と後期、内容がガラリと変わるそうなので、2回楽しむことができるそうです♪

 

 

『芸術新潮』の歌麿特集の中でも取り上げられていましたね!

2017年

6月

14日

〜『芸術新潮』展覧会情報〜

今月号の『芸術新潮』歌麿特集の展覧会情報です。

2017年

4月

09日

学会誌『LOTUS』第67号(日本フェノロサ学会刊)に研究論文が掲載されました

春風の心地よい季節になりましたが、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか。
私ごとではございますが、昨年秋に日本フェノロサ学会にて研究発表をした論文が学会誌に掲載されました。


約8,000点ものビゲロー浮世絵コレクションの歌川国貞(三代豊国)の数量分析は、とても長い道のりでしたが、掲載された論文を見ると喜びはひとしおです。
初めて掲載される論文のため、至らない点も多いかと存じますが、ご笑覧頂ければ幸いです。

~研究論文内容~
本稿では、ボストン美術館蔵ビゲロー浮世絵コレクションの浮世絵を取り上げ、蒐集者ウィリアム・スタージス・ビゲローが最も多く、歌川国貞(三代豊国)の浮世絵を蒐集した経緯を検証しました。
国貞は生涯に万を越える膨大な作品を制作したため、その内訳や詳細については深くは検証されていません。特に、ビゲローが国貞作品を蒐集した経緯の検証は行われておらず、未だ大きな余地があります。
そこで、ボストン美術館のデータベースで公開されている国貞の約8,000件の浮世絵版画、肉筆、絵本、版本等を全て確認し、各作品に付された作品番号、作品タイトル、年代、版元、署名・改印、作品の伝来、コレクター、等を元に一点一点調査した上で、ビゲローが蒐集した浮世絵版画のみをそこから抽出し、その傾向を数量的に分析しました
分析の結果浮かび上がった、ビゲローコレクションにおける国貞の浮世絵の特徴を報告し、そこから見えてきたビゲローの真の蒐集動機を執筆しました。

※第二章で取り上げました、歌川派絵師の名前が並んだ評判記『當代全盛江戸高名細見』(嘉永6年刊)の原本の所蔵先は、都立中央図書館です。
この評判記には、「豊国にかほ(似顔)、国芳むしや(武者)、広重めいしよ(名所)、清満かんばん(看板)」と人気絵師26名が続く内のトップに豊国を襲名した国貞の名が記されており、当時の浮世絵界が国貞を柱としていたことが判る大変貴重な資料です。原本の画像は、論文規定の関係で掲載できず少々残念でしたが、またの機会にご紹介します。

2017年

2月

27日

美人画研究会

2017年1月25日(土)美人画研究会を開催しました。

 

今回は私の母校の教授と親しい、帝京大学教授であり某美術館の館長の岡部昌幸先生が会場の手配やご自身のコレクションを倉庫から会場まで運送して下さるなどご助力頂きました。

内容は、1)浮世絵美人画に焦点を当てた、江戸美人のファッション(畑江麻里)、2)大衆雑誌の表紙における美人画の変化(岩崎達也・帝京大学博士課程)、3)美人画論・英国編Ⅰより、デイヴィット・パイパー「英国の顔」とノーブルな美人画(岡部昌幸教授)、という三本立の研究発表を行いました。

 

とある学会誌に掲載されました。

<研究内容>

 

1.浮世絵美人画Ⅰ

 ~江戸美人のファッション~ 畑江麻里

 

2.新制作派協会における美人画

 ―猪熊弦一郎と小磯良平の女性像を中心に― 岩崎達也

 

3.美人画論 イギリス編Ⅰ

 ―デイヴィッド・パイパー『英国の顔』とノーブルな美人画 岡部昌幸教授

 

絵画鑑賞会 

   歴史的画家の未公開・真筆の美人画を鑑賞! 岡部昌幸教授

         

 

 

 

岡部先生の愛弟子であり若手研究者、帝京大学大学院博士後期課程の岩崎さんの研究発表。

新制作派協会における美人画

 ―猪熊弦一郎と小磯良平の女性像を中心に― 

岩崎さんのご発表では、新制作派協会の画家たちの中から、猪熊弦一郎と小磯良平の東京美術学校在学中から戦後まもなくまでの女性像を描いた作品を紹介しながら、自由を謳歌する日本のキャリアウーマンたちを描いた作品を紹介して下さいました。

『婦人画報』や『週刊朝日』に表紙絵に描かれた、理想の美女像についてのお話も興味深かったです。


〜この時代の背景〜

昭和10(1935)年に二科会などの在野の団体を政府の管理下に置くために改組帝展を行ったところ、それまで帝展にいた画家たちが抜けてしまい、昭和11(1936)年に無鑑査制の復活などの緩和策によって、帝展系の画家たちが戻っていきました。これを「帝展改組問題」と言います。この時に帝展を抜け出し、そのまま在野にの団体を作ったのが、猪熊弦一郎、小磯良平などが率いる新制作派協会(現・新制作協会)でした。彼らは「新生活派」と呼ばれ、昭和戦前期・戦後期の一般大衆の生活やレジャーを描いたことで評判を得ました。中でも女性像においては、自由なファッションやお稽古、労働を謳歌する女性像を戦前より描いていました。


 

 

岡部昌幸教授によるご講演。

美人画論 イギリス編Ⅰ

―デイヴィッド・パイパー『英国の顔』とノーブルな美人画 

 

顔にこだわる英国人気質と、ノーブルさが感じられるサージェントの絵画などを取り上げ、最後に、岡部先生が撮影されたデイヴィッド・パイパーの美人画の作品解説をして下さいました。

 

 

 

絵画鑑賞会 

   歴史的画家の未公開・真筆の美人画を鑑賞! 岡部昌幸教授

 

懇親会は同じ拓殖大学の展望ラウンジに場所を移し、岡部先生の所有される額装された、小早川清の美人画≪落花≫を鑑賞させて頂きました。

この日の為に、岡部先生がトラックを手配して、学生たちと一緒に会場まで運んで下さいました。

2016年

8月

17日

日本フェノロサ学会研究発表のご案内

【日本フェノロサ学会のご案内】
毎日厳しい暑さが続いておりますが、如何お過ごしでしょうか。
私事で恐縮ですが、日本フェノロサ学会での研究発表のご案内をさせて頂きます。
前回の美人画研究会で触れました、ボストン美術館が所蔵するビゲローコレクションにおける歌川国貞(三代豊国)の浮世絵の特徴と、蒐集者・ウィリアム・スタージス・ビゲローが最も多く国貞の浮世絵を蒐集した経緯を検証します。
約3万3,300枚もの世界的に大規模な点数を誇るビゲローコレクションは、長年、門外不出とされ、詳細については明らかにされてきませんでした。
近年、各地の美術館でビゲローコレクションの浮世絵が取り上げられ、特に「国芳・国貞」展でビゲローの国貞作品が大々的に展示されました。
しかし、ビゲローコレクションの国貞作品の詳細な分析は深くは行われていません。特に、ビゲローが国貞作品を蒐集した経緯の研究は行われておらず、未だ大きな余地があると言えます。
そこで、ボストン美術館のウェブサイトで公開されている国貞の約8,000件の浮世絵版画、肉筆、絵本、版本等を全て確認し、各作品に付された作品番号、作品タイトル、年代、版元、署名・改印、作品の伝来、コレクター、等を元に一点一点調査した上で、ビゲローが蒐集した浮世絵版画のみをそこから抽出し、その傾向を数量的に分析しました
(約1万点もある国貞作品を一点一点調べ、ミスのないようエクセル表を制作し、数量的な分析をするのには目眩を起こす程でした…)
 
分析の結果浮かび上がった、ビゲローコレクションにおける国貞の浮世絵の特徴を報告し、そこから見えてきたビゲローの真の蒐集動機を明らかにしたいと思います。
お忙しいかと存じますが、参加費と懇親会費は無料ですのでもしご都合よろしければ、ご高覧頂ければ幸いです。

〜日本フェノロサ学会研究発表詳細〜

2016年

7月

07日

第7回 美人画研究会

第7回美人画研究会を開催いたしました。
今回も多くの方にご参加を頂き、研究発表、美人画カルタ、美人を描こうコーナー等、楽しい研究会になりました。
詳しい内容は美人画研究会ホームページに掲載したいと思っております。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました!!

2016年

5月

10日

サントリー美術館「広重ビビット展」レセプション

母校の稲垣先生にお誘い頂き、サントリー美術館「原安三郎コレクション 広重ビビット」オープニングレセプションへ行って来ました。

戦前から財界の重鎮として活躍した原安三郎氏は浮世絵コレクターでもあり、特に旅好きだったことから、葛飾北斎や歌川広重の名所絵を多く集めました。原氏のコレクションは、揃物の多くが全揃いなのも驚きですが、本展初公開となる≪六十余州名所図会≫≪名所江戸百景≫は全て摺ったばかりの状態のような大変美しい初摺り!色が本当に鮮やかなんです!≪名所江戸百景≫の中には、キラキラ光る雲母を使用した作品もありました!!この雲母や、海面や空のじわじわっとした美しいグラデーションが生み出すぼかしの技法、目にも鮮やかな色合いは、同じ版で何度も摺られた後摺りでは見ることはできず、初摺りだからこそ見られるものです。全て状態の優れる初摺りの作品だけを集めた展覧会。名所絵の名手として絶大な人気を誇る広重の豊かで粋な名所絵をお楽しみ頂けること間違いないです。また、現存数の少ない葛飾北斎の≪千の海≫が全て揃っており、こちらも注目です!

葛飾北斎が≪冨嶽三十六景≫を発表し、歌川広重が≪東海道五拾三次≫を刊行するまでに、江戸期の文学・芸術界は〝旅″に対する興味が次第に高まってきていました。北斎と広重は名所絵(風景画)のジャンルを確立し、多くのシリーズを刊行します。

広重は、画面頂部に加えられる空の「一文字ぼかし」をはじめ、名所絵の効果を発揮した「拭きぼかし」の技法を多用しています。「拭きぼかし」の技法を使用したのは、摺師の腕に任せて版画としての面白みを存分に引き出そうとしたからではないかと考えられます。浮世絵が絵師個人で制作するものではなく、彫師や摺師の腕が加わってはじめて最大限の魅力を発揮できることを、広重は承知していたのです。また、「あてなしぼかし」という摺師に全て任せるぼかし摺りの技法も、広重は好んで使っています。これは偶然に頼る技術で、一図ごとにぼかしの模様が異なって仕上がります。その技法は、何も彫っていない平らな板に水を垂らし、更に墨や色を一滴垂らし、広げた所を摺り取るだけの、人任せ、運任せのものでした。

広重は、直接摺りの現場に立ち会い、色や摺りを指定して拘りぬいて制作しました。初摺りを見ると、後摺りの作品では全く気付かなかった広重の工夫や意図を見つけることができます。例えば、≪美濃 養老の滝≫は、後摺りの作品を見ると、ただ布を垂らしただけの平坦な滝で、広重は観察眼がなかったのかのようにと思います。しかし、初摺りを見ると、広重が木目を活かして滝の水の流れを表現しようしていた意図が感じられます。

稲垣先生によると、広重の名所絵の魅力は「じわじわっ」としたぼかしの技法にあるそうです。この「じわじわっ」は、木版画の魅力であり、他の版木ではマネできません。現代の技術で印刷をするとスッキリとした線を作ってしま、手作りの肌合いが全く出ません。

 

私は現在、浮世絵の美人画を中心に研究していますが、大学院入試時に、歌川広重の名所絵を研究していました。この時に研究していた≪東海道五拾三次 日本橋 朝之景≫、こちらは初摺りなのですが、前期のみ展示されています。

この作品は、日本橋からの大名行列が京へ向けて出発する場面を描いたものです。日本橋を取り上げる際、通常は横向きであり、富士山や江戸城も定型として描かれますが、この作品には富士山も江戸城もなく正面向きで表されているのが斬新です。地平線近くの朝焼けに染まる茜色の空や、その上に棚引く青い雲、まだ明け切らない空を示した画面上部の藍色のぼかしなど、多彩な色の摺り重ねや組み合わせによって、早朝の風情を描き出す手腕は広重ならではのものです。しかし、これが後摺りになると、この雲がカットされ、美しい空のグラデーションもなくなります。また、この日本橋の作品には変わり図もあります。こちらの変わり図は構図ががらりと変わり、登場人物も多くなっています。

 

本展初公開となる≪六十余州名所図会≫は、嘉永6年(1856)7月から安政3年(1856)5月までの約4年間にわたり制作された人気のシリーズです。全国68ヵ国(五畿七道で言えば、五畿内5、東海道16、東山道8、北陸道7、山陰道8、南海道6、西海道11)の名所と江戸1点、目録1点の全70点の揃いです。

《三保の松原》

富士山と三保の松原は切っても切れない関係です。富士山を世界遺産にする際、三保の松原も含めるかどうか一悶着あったそうですが、三保の松原も含めて世界遺産になりました。現在観光地化して海岸が汚くなってしまったという意見もありますが、世界遺産に認定されたので、これから当時の美しい状態に戻ることを期待しています。

この広重の作品には、白い帆船が行き交う青く広大な海岸の中央、長くせり出した陸地が三保の松原です。白い砂浜と青々とした松の取り合わせの美しさから、古来より名所とされてきました。謡曲『羽衣』では、「ここから見た春景色はどれも美しく、他とは比べものにならない。」とその美しさを称えています。この作品に捉えられた富士山は、山頂のなごり雪が白抜きで表され、「板目摺り」という版木の木目を摺り出す技法により、立体感が引き出されています。

三保の松原の近くには、大型輸送船が行き来していた清水港があり、江戸と西国を結び年貢米などを送る地として栄えていました。

《江戸  浅草市》初摺、後摺

こちらの作品、浅草寺を描いた作品が2点、初摺りと後摺りを比較できるよう並べられていました。観音菩薩を祀る浅草寺は、江戸の庶民に大変親しまれ、新年用の品を商う12月の縁日は賑わいを見せています。

この二つ、何が違うでしょうか。全体的に引き締まって見える箇所と色が浮いてしまっている箇所が見えます。初摺りの作品は、広重が摺りの現場に立会い、一点ずつ色や摺りを確認しながら仕上げただけあり、星が瞬く夜空に、画面最上部の紫と藍色の二色の雲が美しく、細部まで手の込んだ豊な表現が実現されています。

それに対して後摺りは、初版と同じ版を使っていますが、様々な違いが見られます。夜空に輝く星は消え、空の色も減り、初摺りのぼかしも消え、最上部の雲は紫一色になり、平たく単調な印象になっています。版を重ねた版木が欠けたり磨り減ったりするため、後摺りでは輪郭線に荒さが目立ちます。しかし、後摺りの作品が多く存在することは、この作品が人気であった証拠と言えます。

 

幻のシリーズ 葛飾北斎≪千絵の海 総州銚子≫

先日、八王子市夢美術館「ますむらひろしの北斎展」を観た際、この≪千絵の海 総州銚子≫ 元に制作された作品が特に印象的で、実物が観たいと思っていました。

葛飾北斎による「千絵の海」は、各地の漁を主題に、変幻する水辺の景色や漁の様子を捉えた10点からなるシリーズです。千絵の海は現存作品が少なく、10点全てを所蔵しているところはほとんどありません。

こちらの作品は、鰯漁で栄えた総州銚子の海が描かれています。ベロ藍の色が美しく、荒々しい大海原の中で打ち寄せる波が岩に砕け、飛沫を残しながらひいていく様子が巧みに捉えられています。北斎はかつてこの地に滞在していたそうです。寄せる波とひく波。二つの波を一つの画面に収めた独創的な構図です。波の様子とは対照的に、画面手舞の舟の穂先には猟師が平然と網を引いています。

2016年

4月

26日

国立新美術館「ルノワール展」レセプション

国立新美術館「ルノワール展」レセプション。

大学院時代、新美の情報資料室でJACプロジェクト(海外では入手困難な日本の展覧会カタログを、海外の日本美術研究の拠点機関に寄贈する事業)研究補佐のアルバイトをしていたこともあり、久しぶりに足を運び懐かしい気持ちになりました。

今回の展覧会は、印象派の巨匠ルノワールの長い人生の中で描かれた、初期の写実的な肖像、風景、風俗、そして裸婦までの秀作が紹介されています。油絵はもちろんデッサンや彫刻など彼の全体像がつかめ、晩年のティツィアーノやルーベンスを思い起こさせる作品などもあり、バラエティーに富んだ展示となっています。

ルノワールは様々な技法を研究し、スタイルを変えていった画家で、画家自身「探求という病にかかってしまった」という言葉を残しているほどです。


 

 

この展覧会の目玉の作品は、最高傑作≪ムーラン・ド・ギャレットの舞踏会≫です。

国立新美術館で何度も印象派の展覧会を観ていましたが、この名作を観たのは初めてでした。

作品の舞台であるパリのモンマルトルは、当時人気のスポットでした。活気に満ちたダンスホールには様々な階級の人が集まり、みな喜びに満ちています。この作品には空が描かれていませんが、画面全体が明るく見えるのは色彩で光と影を表現しているからかもしれません。

ルノワールより以前には、日常の出来事をこれほどの大作の主題として思いついた画家はいませんでした。

 

 

学生時代にパリのオルセー美術館とオランジュリー美術館で観た≪ピアノを弾く少女たち≫や≪田舎のダンス≫≪都会のダンス≫を再び観ることができました。

この日は疲れがピークで、こちらのお料理は眺めるだけになってしまいましたが、ルノワールの最高傑作を真近で拝見する機会に恵まれ、至福のひと時を過ごすことができました。

2016年

4月

21日

東京都美術館「生誕300年記念 若冲展」レセプション

著名な美術史家の安村先生にご招待頂き、初めて一人で東京都美術館「生誕300年記念 若冲展」レセプションに行って来ました。

伊藤若冲は、江戸中期に京都で活躍した画家で、緻密で鮮やかな色彩描写による動植物、軽妙洒脱な水墨画を手掛けたことで有名です。その若冲の生誕300年を記念した空前絶後の展覧会が明日、4月22日(金)から開催されます。

この展覧会の大目玉は、若冲が京都・相国寺(室町幕府三代将軍の足利義満によって創建)に寄進した大作「釈迦三損尊像」3幅と「動植綵絵」30幅です。若冲が40歳の時に取り掛かり、10年の歳月をかけた渾身の作で、一堂に公開されることは初めてです。

展覧会場の2階に上がると、正面に一際大きな「釈迦三損尊像」3幅が見えます。若冲は、京都の東福寺にあった中国の仏画をここに写したそうです。その左右を取り囲むように並ぶのが「動植綵絵」30幅。咲き誇る花々に蝶や虫、あらゆる鳥に魚、貝類までが絢爛豪華に描かれています。この作品は、絵絹に裏打ちされた肌裏紙が濃い灰色になっているのが特徴です。通常は紙本来の色、もしくは白。しかし墨色の紙を使用すると、それが絵絹の折り目から透けて画面が暗くなり、空間に深みがでます。そして色に更なる奥行をもたせるために若冲が取り入れたのが裏彩色。絵絹の裏に色を塗ることで表の色にニュアンスを与えます。調査によると、多くの白い鳥の羽は裏に黄土色が塗られていたそうです。墨色の肌裏紙、裏彩色の黄土色、絹の光沢、そこに白い胡粉が重なることで、趣のある輝きと立体感が生まれます。

「動植綵絵」は、若冲の緻密な超絶技巧に泣きそうになります。必見です!!

展覧会図録も若冲の魅力が満載です!

2016年

4月

05日

太田記念美術館「歌川国貞展」

母校の先生と太田記念美術館「歌川国貞~和の暮らし、和の着こなし」へ。

現在、渋谷Bunkamuraの「国芳・国貞展~ボストン美術館所蔵」も大反響で、遂にやってきた国貞ブーム!?に嬉しく思っております。

浮世絵の状態、質・量ともにボストン美術館所蔵の方が素晴らしいと感じましたが、(こちらは退色してしまっている作品も多くありました)この展覧会に飾られていた、≪星の霜当世風俗 蚊やき≫は状態がとても良く、目を見張るばかりでした。

≪星の(や)霜当世風俗≫は、国貞の美人画を代表するシリーズの一つで、八花形の縁の古鏡風の枠内に題名が書かれています。題名は、「星の霜」と「星や霜」の二種類があり、各5図の計10図が知られています。

この≪星の霜当世風俗 蚊やき≫は、文政2年(1819)に制作されました。なぜこの年に制作されたかというと、この美人画に配された役者団扇を見ればわかります!

≪星の霜当世風俗(蚊やき)≫

この作品には、蚊帳の中に入ってしまった蚊をこよりに点けた火で焼き殺そうとする、当時の庶民の女性風俗が捉えられています。画面下部に注目すると、三代目尾上菊五郎の助六が描かれた団扇が見えます。菊五郎の助六の初演は文政2年(1819)3月中村座で上演されました。(浄瑠璃は「助六曲輪菊」すけろくくるわのももよぐさ)そのため、役者の団扇を見るとこの作品がいつ制作されたのかがわかるのです。

助六は、市川家の芸ですが、菊五郎が団十郎への挨拶なしに勝手に演じてしまったため、両者不和の原因になりました。

※こちらのお話は、第二回目「美人画研究会」にて、新藤先生にご教授頂きました。

http://bijingakenkyukai.jimdo.com/研究会/第2回/

美男子の三代目菊五郎は、楽屋の鏡に自分の顔を映しながら「どうして俺はこんなにいい男なんだろう」と呟いたというエピソードもあります。

役者が描かれた団扇は、一本十六文で、他の団扇絵が十二文~十四文だったそうで、他の団扇よりも若干お高めでした。

2016年

4月

02日

第6回「美人画研究会」1周年になりました

4月2日(土)に第6回美人画研究会を開催いたしました。

お陰様で昨年3月に第1回目を開催してから1周年となりました。

ご参加くださった皆様、応援して下さった皆様、皆様のお陰で1周年を迎えられましたことを、心よりお礼申し上げます。

 

下記、第6回美人画研究会の内容をご報告させて頂きます。


     

初の試み「美人を描こう パート1」

6名の方が描いて来て下さった吉永小百合さんの作品を並べて鑑賞し、小百合さんを描く時のポイント、描く時に苦労した点などをお聞きしました。

顔が整っている女性の顔は描くのが難しいというご意見が多かったですが、どれも美しい「美人画」でした。

 

私の今回の発表は、川越のそば屋さんで見つけた歌川国貞の浮世絵美人について発表しました。

ただ一方的に話すのではなく、参加者の皆さんに下記質問をしました。

 

Q1.この絵は何屋さんでしょうか?

Q2.看板の上には何が乗っているでしょうか?

Q3.何のために●●が看板の上に乗っているでしょうか?

Q4.いつ頃から●●が■■屋で使われるようになったでしょうか?

Q5.雪景色の場所はどこでしょうか?

Q6.どのような女性に見えますか?

Q7.女性が持っているものは何でしょうか?

 

次回は、7月3日(日)を予定しております。

皆様にお会いできるのを楽しみにしております。

2016年

3月

18日

「俺たちの国芳 わたしの国貞」レセプション展

Bunkamuraザ・ミュージアム「俺たちの国芳、わたしの国貞展」のレセプションに行って来ました。

オープニングには、この展覧会の音声ガイドのナレーターを務めた、中村七之助さんが登場し思わず興奮してしまいました。

幕末期に一世を風靡した国芳と国貞。浮世絵三ジャンルのトップに歌川派の絵師の名前が並んだ、評判記『江戸寿那古細撰記えどすなごさいせんき』(嘉永6年刊)には「豊国にかほ(似顔)、国芳むしや(武者)、広重めいしよ(名所)」と記されており、国貞と国芳の活躍を端的に伝えています。この「豊国」は初代ではなく、三代豊国を襲名した国貞のことです。

現在、歌川派といえば、国芳や広重がまず頭に浮かぶ方が多いと思いますが、当時は国貞を柱として、歌川派の絵師たちは文化文政に続く旺盛な制作活動を繰り広げたのです。国貞はこの二人の絵師よりも生涯に制作した浮世絵は3万点以上と圧倒的に多く、人気も別格でした。

 

歌川国貞

国貞は、10代で歌川豊国(後期浮世絵界における歌川派全盛の基礎を作った絵師。歌川派を創始した豊春門下)に入門し、早くからその才能を見込まれた国貞。文化11.12年(1814.15)、29歳の時に発表した、役者大首絵の傑作≪大当狂言ノ内≫シリーズ(7枚揃)の成功を弾みとして、天保15年(1844)「豊国」を名乗りました。(国貞の前に二代目を名乗った豊重がいるため、現代では一般的に三代豊国と呼ばれます。)人気と実力を兼ねそろえた国貞は、役者絵と美人絵の二大ジャンルを精力的に筆を取り、当時随一の大御所絵師として認識されていたのです。

 

歌川国芳

国芳は、豊国に入門した後、すぐに活躍することができず、兄弟子の国直の家に寄宿しながら模索の日々を送りましたが、文政10年(1827)中国で生まれた武勇伝『水滸伝』に取材した≪通俗水滸伝豪傑百八人之一個≫が人気を博したことにより、武者絵の国芳としての地歩を確立しました。天保末以降、三枚続きの大画面を駆使したダイナミックな構図や、洋風表現を用いた奇抜な表現の浮世絵が注目を集め、天保の改革の取り締まりが緩み始める弘化4年(1847)頃から、役者を動物や器物に擬人化するユニークな表現を確立し、国芳の才能が開花しました。

 

七之助さんの音声ガイドを聞きながら、ボストン美術館の素晴らしい作品を心行くまで堪能してきました。

この日限定で、国貞作品の撮影許可の場所があったので、ご紹介したいと思います。

歌川国貞≪本朝風景美人競≫天保初期頃

「相模江ノ島」「大和吉野」「駿河三保」「陸奥松島」

美人と日本各地の名所を小間絵に描きこんだ揃い物のうち四図。藍摺りの名所の周りには吊灯篭(針金に板ガラスや色ガラスのビーズが装飾されたもの)が華やかで目を引きました。四人の女性全て裸足で描かれていますが、「大和吉野」(中央上)黒頭巾を被った藍一色の着物の女性は寒さに震えているようにも見えます。この女性について、源義経と静御前の切ない別離の場を描いたものではないかとの指摘もあるそうです。

歌川国貞《見立邯鄲》 

透けた団扇からのぞく長い洗いざらしの髪の美人の作品。こちらの女性は、当時人気の女形、五代目瀬川菊之丞の大首絵の可能性もあるそうです。 

「邯鄲」を元にした作品で、藍色の背景にはその物語の情景が描かれています。 

「邯鄲」と聞くと、春信の邯鄲が頭に浮かびますが、国貞の邯鄲は女性がクローズアップで捉えられ、春信のものとはまた違った魅力があります。盧生青年の儚い夢と、小さな蝶を見つめる女性の心情が重ねられ、エモーショナルな美人絵になっています。(「邯鄲」とは、中国の戦国時代、盧生という貧しい若者が邯鄲の宿で仙人に出会い、不思議な枕を借りてひと眠りし、紆余曲折を経て立身出世をする体験をします。すると、店の主人が粟の飯が炊けたことを知らせます。盧生が体験したことは短い間の夢で、彼は出世や栄華も夢のようなものだと悟り故郷に帰っていく、という話です。)

歌川国貞

「松葉屋内 粧ひ わかな とめき」「中万字や内 八ツ橋 わかば やよひ」「扇屋内 花扇 よしの たつた」「姿海老屋内 七人 つるじ かめじ」

「弥玉内 顔町 まつの こなつ」

吉原を代表する五人の名だたる遊女を「ベロ藍」(オランダを通して輸入された化学染料の青で、ベルリン藍の略称。かつてプロシア王国の首都であったベルリンでできた染料で、プルシアンブルーのこと。)の藍色だけで表現された作品です。画面上部に遊女と禿の名前、そして夜桜が表され、禿を引き連れた遊女の道中の姿が見えます。一見、藍一色だけと思いきや、遊女と禿の口元に注目すると唇か紅色になっていました。主に藍色だけですが、衣装や簪など華やかな作品です。

 


歌川国貞 
「江戸町壱丁目 扇谷内 花扇」「角町 大黒屋内 大淀」「角町 大黒屋内 三輪山」
こちらも吉原の名立たる遊女の花魁道中の作品です。先程の作品はベロ藍の藍が中心、画面上部には夜桜が表されていましたが、こちらはフルカラーになり、画面上部には月夜に雁の群れが飛ぶ様子が描かれています。吉原一丁目にある大見世扇屋と、吉原の見番(総合窓口)を務める角町の大黒屋庄六の遊女。「花扇」と聞くと、喜多川歌麿の四代目の花扇が浮かびますが、花扇は扇屋の別格の高級遊女でした。着物の柄もとても凝っていて、画面左の三輪山の衣装は大輪の菊、画面中央の大淀は桜と音曲を奏でる人物、そして花扇は鞠や羽子板が描き込まれていました。 

歌川国貞≪全盛遊 三津の あひけん≫ 
「京嶋原」「江戸新吉原」「大坂新町」 
江戸時代の三大都市、京・江戸・大坂それぞれの遊郭である、島原、吉原、新町の遊女が狐拳(じゃんけんの一種)をしている様子が見えます。画面上部のコマ絵には、狐、猟師、庄屋が描かれているので、「あいけん(あいこ)」となっていることがわかります。コマ絵の隣には、当時活躍した俳諧師の句が添えられていました。 
京は野々口立圃、江戸は宝井其角、大阪は西山宗因 

歌川国貞≪新吉原仮宅之図≫ 
文化13年(1816)火災で吉原が焼失し、浅草周辺の土地で営業が許された臨時の遊郭の様子が描かれています。格式高い吉原とは異なる風情が見られる仮宅。遊女たちの着物の着こなしもゆったりしています。 
画面中央の女性を遠くから見たとき、菊川英山風の顔つきに見えました。

2016年

1月

09日

千葉市美術館「初期浮世絵展」レセプション

母校の稲垣先生にご招待頂き、千葉市美術館「初期浮世絵展ー版の力・筆の力ー」レセプションパーティーに張り切って着物で行って来ました。

初期の浮世絵に焦点を当てた展覧会はあまり開催されないため、年末から心待ちにしていました。この展覧会は、歌麿、写楽、北斎、広重など、いわゆる浮世絵黄金時代のものではなく、初期浮世絵に焦点を当てています。
近世初期風俗画から、浮世絵の始祖と位置づけられる菱川師宣、歌舞伎絵界に圧倒的な地位を築いた鳥居清信や鳥居清倍、浮絵や柱絵を草案した奥村政信、紅摺絵の美人絵の名手である石川豊信、そしてフルカラーの高度な多色摺木版画技法の錦絵を誕生させた鈴木春信の登場まで堪能できます。
稲垣先生からご教授頂いた内容や私の感想なども交えながら、一部の作品をご紹介したいと思います。

レセプションパーティーの後、展示室へ


<近世初期風俗画>

展覧会場に入ると、まず出迎えてくれたのが、近世初期風俗画。(中世末から桃山時代を経て江戸初期にわたって生まれた新興の絵画を「近世初期風俗画」と呼びます。)浮世絵が一般の人々に普及する以前、室町時代の終わりから江戸初期にわたる準備期間が、京を中心にありました。この近世初期風俗画は、やがて誕生する江戸庶民の浮世絵の母体となったのです。

寛永期(1624-44)になると、年中行事や日常生活の様子を京の街並みや名所を屏風に描いた「洛中洛外図」の一部分を拡大してアップで詳しく見たいという欲求が高まり、屏風にあでやかな着物を着た女性が描かれ、それが小さな掛幅となりました。

「寛文美人」と呼ばれた肉筆画は、高価で一部の金持ちのためのものでした。

繊細な描線で描かれた踊り子の掛幅は、床の間に飾れば部屋がパッと明るくなったでしょう。画面上部の余白は金色に埋め尽くされ、唐輪髷に髪を結ったこの遊女が引き立って見えます。白い小花を散らし地に絞り模様などを染め分けた手の込んだ着物に、金の牡丹唐草があしらわれた帯を締め、なんとも豪華でした。

<菱川師宣>

浮世絵の創始者と位置づけられる菱川師宣は、大和絵師と自称し、版画や版本の他にも屏風や絵巻、掛幅と様々な形式で肉筆画を描きました。

師宣と言えば、まず「見返り美人」が頭に浮かびます。彼は元禄期(1688~1704)に多くの一人立ち美人を肉筆画に捉えていますが、その中に若衆の作品があることはとても珍しいです。振袖の羽織を着ていた姿を見て、最初女性なのではないかと思いましたが、実は男性なんです。エメラルドグリーンの色の着物が美しく、まだ前髪を剃らない若い男性は色子のようにも見えます。

菱川師宣『武家百人一首』

寛文12年(1672)、初めて絵師の名前が記された絵入本『武家百人一首』が世に出たのですが、その時の作品も展示されていました。絵師の名が記されたことは、浮世絵師の力が初めて認められたと言っても過言ではないでしょう。

『武家百人一首』は、100人の武家の歌人と歌、上部に注釈と歌の光景を表した絵本です。大衆の人気を得た師宣は、好色本を主に次々と絵入本を刊行しました。師宣の好色本なども展示されていました。やがて、絵本の挿絵が鑑賞用として一枚絵に独立し、浮世絵が普及します。墨一色の大量印刷のため値段が安く、誰でも買えるため、浮世絵が庶民の美術になったのです。

杉村治兵衛≪遊歩美人図≫

元禄期の着物は大模様で派手なものでした。美人の左袖には、高貴な女性を背負う男性が描かれているので『伊勢物語』の「芥川」を意匠化してることが分かります。男性が盗んだこの女性は、この後、鬼に食べられてしまうという悲しい結末が待っています。。右袖には盗まれた女性を武蔵野に探す松明を持つ武士という「武蔵野」と、いずれも『伊勢物語』の著名な場所が模様となっています。

鳥居清倍≪初代市川団十郎の竹抜き五郎≫

みみずのように描かれた線、筋肉が瓢箪のように膨らんだ脚、鳥居派のいわゆる〝瓢箪足蚯蚓描き”(当時そのような言葉で言われていたのかは疑問ですが)の筆法で表された曾我五郎。丹絵(初期浮世絵の様式の一つ。墨摺絵に朱の色として鉛に硫黄と硝石を加えて焼いた「丹」を手彩色したもの)の赤色が鮮やかで、力強さを感じました。荒事を象徴する竹抜きの趣向は、元禄10年(1697)5月中村座「兵根元曾我」で初代市川団十郎扮する曾我五郎で初演、当時人気だったそうです。

懐月堂安度≪遊女立美人図≫

宝永~正徳期(1704~16)に肉筆画を専業とする一派が登場しました。懐月堂安度とその一門です。高級な絵の具ではなく粗末な泥絵具で彩色し、工房を営んで量産しました。肉筆画はどれも高級感を感じるため、粗末な絵具を使用していると知った時は驚きました。着物を縁取る黒い太い線、大柄な模様が特徴の一人立ち美人はとてもダイナミックな印象でした。

安度は、正徳4年(1714)、江島生島事件に関与した罪で流されてしまいましたが、残された懐月堂の作品は多かったそうで、当時人気の美人だったことが偲ばれます。

<奥村政信>

版元も兼ね、浮世絵界に様々なアイディアを仕掛けた奥村政信。作画期は、元禄末から宝暦末までの約60年とずば抜けて長いです。

生涯の作品は墨摺から丹絵・紅絵・漆絵・紅摺絵へと浮世絵の発展をたどるものです。これまで墨摺りの上の塗る色は、オレンジががった「丹」が中心でしたが、赤みの強い上品な紅を使用し「紅絵」と称したのは政信でした。現在は退色している場合も多いですが、「紅」は浮世絵にはなくてはならない色となり、幕末まで江戸の人々に好まれました。

政信は、元文(1736-41)頃には「柱絵」、続いて「浮絵」(西洋の透視画法を用いて遠近感を強調し近景が浮き出して見える浮世絵。中国の蘇州版画の影響とも言われます。浮絵の創始は奥村政信で、元文4年(1739)のものが最も古い作品だそうです)を創案して人気を集めました。人気の新商品は、すぐに真似されれるので自作には「はしらゑ根元」「浮絵根元」などと記したそうです。こちらの作品にも彼のトレードマークの瓢箪印が押されています。

奥村政信≪佐野川市松≫

当時絶大な人気を誇った佐野川市松(1722~62)は、宝暦4年(1754)に女方に転向するまで若衆方として活躍し、市松模様(碁盤目状の格子の目を色違いに並べた模様)を流行させました。彼の着物の帯と背後にある暖簾に注目すると、市松を表す丸に「同」の紋が見えます。市松模様の帯は、市松が江戸に下った寛保1年(1741)「菜花曙曾我」三段目「高野心中」で小姓粂之助を演じて評判となった衣装で、市松格子とも呼ばれたそうです。丸に「同」のマーク、格子柄の模様があかれば、佐野川市松を描いた作品とわかります。

 

<鳥居清広>

寛保から宝暦(1741-64)までの紅摺絵全盛に活躍した絵師。

鳥居清広は生没年が不詳。石川豊信に似た紅摺絵の美人を多く描いています。

この頃から浮世絵は筆による彩色ではなく、版による彩色を行われるようになりました。「紅摺絵」は、紅色と緑を中心にした2~3色の簡単な色摺りで、寛保2年(1742)からはじまり、明和2年(1765)、錦絵が誕生すると急速に減少しました。

先ほどの紅絵は紅の色が退色していましたが、こちらの紅摺絵は紅の色がきれいに残っています。

宝暦3年(1754)11月の中村座「百萬騎兵太平記」に取材した中村助五郎の大森彦七盛長と、中村富十郎の春日野のふじを描いた役者絵。紅の赤と緑(草色)のコントラストが美しいです。

丸に「仙」の字があれば助五郎の紋、八本の矢「八本矢車はっぽんやぐるま」の紋があれば、当時、極上上吉と評された最上位の女方・中村富十郎の紋であるとwくぁかります。(評判記『役者懐相性』)

助五郎が演じる大森彦七盛長は、史実では足利尊氏に属し、建武3年(1336)湊川の戦いで楠正成を敗北させた人物です。

 

~この展覧会の最後は、錦絵を誕生させた鈴木春信の作品~

<鈴木春信>

明和2年(1765)、浮世絵界に革命が起きました。師宣の登場から約100年間、墨一色の墨摺から三色くらいの紅摺絵にしか技術が進化していませんでしたが、フルカラーが可能の錦絵が登場しました。当時は、西陣織の錦のように美しい江戸の絵ということで「江戸絵」「東錦絵」と呼ばれました。

江戸時代は太陰暦を用いて毎年月の大小が異なるので、新年の挨拶に、その年の大小の月を記した絵暦(大小)を作って配る習慣がありました。明和2年、教養のある俳諧趣味人のグループの間で暦のデザインの優劣を競う交換会(大小会だいしょうえ)が流行しました。リーダーは1,500石取りの大久保甚四郎忠信舒(俳名巨川)、1,000石の阿倍正寛(俳名莎鶏)、薬種商小松屋三右衛門(俳名百亀)らで、金に糸目をつけず摺の技術を開発、ついに多色摺り版画の錦絵を誕生させたのです。

鈴木春信≪坐舗八景 台子夜雨≫

同じ構図で色違いの二枚が展示されていました。どこがちがうでしょうか。

≪坐舗八景≫の8枚揃いのシリーズは春信の代表作で、この初版には「巨川」の署名、「城西山人」「巨川之印」の印章が押されています。こちらの作品も巨川が大小会で知人に配るために春信に依頼させたのでしょう。

大坂の鯛屋貞柳が『狂歌机の塵』享保20年(1735)に「瀟湘八景」を生活の場に置き換えて詠んだ歌から発想された作品で、「台子夜雨」とは、台子に置かれた茶釜の湯の音を雨音になぞらえているそうです。温かい家庭の生活風景が垣間見れます。

こちらの作品には「巨川」の文字や印も押されていません。目ざとい版元は、春信が描いた大小(絵暦)の版木を譲り受けて、依頼者の落款を削り取り、「東錦絵」と名付け商品として一般の人々に売り出しました。娘の着物や帯の色も異なり、色が退色してわかりませんでしたが、娘の簪に使われた銀や鼈甲の模様なども省略されており、高価な絵の具は用いられなくなっています。

※絵暦 太陰暦で一年は大の月30日、小の月29日で構成され、およそ3年に一度閏月があります。この組み合わせが一定ではないため、その年の大小月を表した略暦が作られ、新年の挨拶に配った、絵入りの大小暦です。

研究発表

2015年9月12日に開催された第20回日本顔学会にて、「美人画研究会」で発表した研究内容の一部をポスター発表させて頂きました!
多くの方がお越し下さり、また「美人画」について貴重なご意見を頂き、大変勉強になりました。
皆様、誠にありがとうございました。

★クロアチア旅行★

2015年8月末より、妹とクロアチアへ行って来ました。

クロアチアは、それほど大きくない国土の中にユネスコの世界遺産が7つも登録されています。

宮崎駿監督のアニメ映画『紅の豚』や『魔女の宅急便』はクロアチアのアドリア海が舞台だったことはご存知でしょうか。

この映画には風光明媚なアドリア海の景色が描かれています。

 

妹とクロアチアの大変素晴らしい光景を目に焼き付け、みなさまにお伝えできればと思い、ブログに載せてみました。

正面顔ばかりの写真で恐縮ですが、下記ご覧頂ければ幸いです。

 

【クロアチア 首都ザグレブ】

ザグレブの街は、19世紀以降に造られた新市街と、18世紀以前の街並みが広がる旧市街とに大別されます。

その歴史は、11世紀にハンガリー王(ラースロー1世)が現在の地区をローマ・カトリックの司教区として定めたことからはじまるそうです。13世紀には自由都市として認められ、商業の街として栄えました。

 

天に突き刺さるように伸びる二つの鐘楼(一つは工事中でした)が印象的な聖母被昇天大聖堂や、屋根のモザイクが目印の聖マルコ教会など、ザグレブのランドマークを観光し、当時の面影を肌で感じました。

石の門にて。1731年の大火災で城壁と現在の石の門周辺が焼け落ちた際、灰の中から見つかったというマリア像。普段は柵の中からしか見ることができないそうなのですが、偶然柵が開いた時に撮影することができました。


ザグレブ観光後は、ラストケ村へ。


おそろいのハート型のサングラスをしてみました♡


【プリトヴィッツェ湖群国立公園】世界自然遺産

1979年に世界自然遺産に登録されたプリトヴィッツェ湖群。

16の湖と90以上の滝が点在。石炭を含む台地が天然のダムとなり、16の湖が無数の滝で繋がっています。水がとても澄んでおり、その時々で科学変化によって湖の色が変わるそうです。

エメラルドグリーンに輝く湖を眺めながら上湖群と下湖群を散策し、とても癒されました。

その後、7時間かけてドブロブニクへ


【ドゥブロヴニク旧市街】世界文化遺産

クロアチア屈指の観光地、ドゥブロヴニクは1979年世界文化遺産に登録されました。

アドリア海に面したこの街は、かつてラグーザ共和国というひとつの国でした。ビザンツ帝国に従属していましたが、十字軍の到来に伴ってヴェネツィアの支配下に。14世紀以降はクロアチアの自治州となり、長きにわたって独立を貫いてきた希少な街でもあります。

この街には、城壁に囲まれた旧市街に各時代の貴重な建物が残っています。


スルジ山は絶好の眺望スポットでした!!

ドゥブロヴニクに到着した夜、そして次の日の朝も山頂までロープウェイで登り、旧市街の美しい姿を目に焼き付けました。


旧市街に点在する歴史的建造物を観光し、城壁ウォーキング

中央にドームを持つ壮麗なバロック様式の大聖堂。内部には祭壇があり、ティツィアーノの祭壇画『聖母被昇天』が飾られていました。

城壁の上に巡らされた1周2kmの遊歩道を歩きました。

ピレ門横の階段を上ると見えるのがこの光景。オノフリオの噴水やルジャ広場、鐘楼が見えます。

しばらく歩くと出会えるのは、ロヴリイェナツ要塞。海抜37mの岩山上に立ち、海と陸の双方から街を守る役割を果たしたそうです。

城壁ウォーキングの後、クルーザーでドブロブニクの景色を堪能

【スプリットの史跡群とディオクレティアヌス宮殿】

1979年世界文化遺産に登録

ローマ皇帝ディオクレティアヌスの宮殿は、1700年ほど前の建物と、この敷地内に住む人々の生活が一体となった不思議な街です。

この皇帝は303年にキリスト教弾圧の勅令を交付し教徒たちを迫害しました。そのためキリスト教徒から憎まれているそうです。

 

宮殿の地下を見学した後、鐘楼へ登り、スプリットの街を一望しました。


【古都トロギール】

1997年世界文化遺産に登録


聖ロヴロ大聖堂はトロギールで最も重要な建築物です。

初期キリスト教の教会があった場所に1315世紀にかけて建てられました。シンボルの鐘楼は17世紀初頭に現在の姿になったそうです。

 

入口にはロマネスクの彫刻があり、窓はゴシック様式などで構成されています。

一階の窓 アーチの先が尖ったゴシック様式(1422年修復)

二階の窓 この地方でよく見られるというヴェネツィアンゴシック様式(15世紀半ば完成)

三階の窓 後期ルネッサンスのマニエリスムの影響がみられます(1605年完成)

 

観光後、リゾート地オパティアへ


クロアチアの柄なのでしょうか。お揃いのTシャツを購入し、早速着てみました。


最終日は、国境を越えてスロヴェニアへ

ポストイナ鍾乳洞、ブレット湖、リュブリャナを観光しました。

クロアチアから帰国した次の日は、軽井沢での研究合宿に参加しました。

旅行中パワポを作成する時間が取れなかったため、帰宅した夜21時から深夜まで作り、無事に発表することができました。

軽井沢では、一度行ってみたかった千住博美術館に足を運ぶことができました。

★桟敷席で歌舞伎鑑賞★

2015年8月6日 歌舞伎初日

人生初の桟敷席で、第三部「芋掘長者」「祇園恋づくし」を鑑賞しました!!
「芋掘長者」緑御前役の中村七之助さんの舞は妖艶で目が釘付けになります。
七之助さんを見ると、江戸時代の女方随一、二代目瀬川菊之丞もこのように美しかったのかなぁなんて想像してしまいます。

★江戸時代の歌舞伎の観劇の方法は、桟敷席と平土間、さらに安い席で見る方法などがありました。(桟敷席と平戸土間には各種類があります)
入口に「鼠木戸」という狭い出入り口があり、その横には「札場」がありました。平土間で見る客はここで入場券の札を購入し、入場しました。
 
では、なぜ「鼠木戸」のような狭い入口にしていたのでしょうか?それは、狭い入口にして、タダで入る人をチェックしていたからです。現在の歌舞伎座のように、広い入口にしてしまうと、こっそり無料で入ってしまう人がいたので、このような造りにしたそうです。ただし、タダで入る客もいました。(ヤクザなど)
 
大変高価な桟敷席は茶屋などで予約しました。桟敷席では茶弁当などが拡げられ、優雅な宴席になり、平土間では饅頭売りや菓子売りなどがやってきて、買い食いをしていたそうです。


この日、なんと招待券で鑑賞することができ、とても贅沢すぎるひと時でした。
★歌舞伎知識
・時代物
江戸時代以前の公家や武家の社会を描いた作品のこと。(江戸時代に起こった出来事をそれ以前の時代に置き換えたものもあります)
歌舞伎興行の最初に上演される、一番目狂言はこの時代物で、曽我物や仇討物などが含まれます。
 
・世話物
江戸時代の町人生活を題材とした作品のこと。特に身分の低い庶民の生活をリアルに描いたものは「生世話物きぜわもの」と呼ばれます。
一番目狂言の後に上演される二番目狂言には、世話物が上演されます。

メニュー

INFORMATION

【お知らせ】

2024年5月26日(日)

京都きもの市場が主催する日本最大級の着物展示会

5/22(水)〜5/27(月)

@東京丸の内KITTE

このイベントにて

「初心者でも楽しめる浮世絵講座」 が開催されます✨

15時〜、16時〜の2回。

ご予約は、コチラ

2022年11月4日 双子を出産

 【テレビ出演】

2022年9月19日(月)

フランスのテレビ局"ARTE"

歌川広重特集に出演しました!

"Invitation au Voyage"(邦題:旅への誘い)

 9/19 18:10〜

放映リンクはコチラ

【浮世絵連載(全5回)が掲載中】

「畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」で取り上げた内容の一部
「浮世絵きほんのき!」(全5回の連載)が、
京都きもの市場が運営するメディアサイト「きものと」に掲載中!

 

一点もの?大量生産? vol.1

https://www.kimonoichiba.com/media/column/759/

 

黒一色からフルカラーへ vol.2

https://www.kimonoichiba.com/media/column/795/

 

浮世絵はどうやって作られる?vol.3

https://www.kimonoichiba.com/media/column/826/

 

 浮世絵の題材はこんなにも幅広い! vol.4

https://www.kimonoichiba.com/media/column/930/

 

美人画は当時のファッション雑誌!? vol.5(最終回)

https://www.kimonoichiba.com/media/column/1003/

 

◆2022年7月24日(日)

「第3回  畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」

14時から16時30分

6/24、7/10と大好評だったので、さらに追加で、オンラインで開催します!

2022年7月21日(木)

都内の大学で、ゲスト講師として講座とワークショップを行いました!

◆2022年7月10日(日)

「第3回  畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座(オンライン)」を追加で開催!

 

◆2022年6月26日

「第3回  畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」

今回も定員以上となり、大盛況で開催しました!

お陰様で今回も定員以上になりました!

インスタグラム@hataettiで近況を更新中!

フォロワー3000人を突破しました!

◆Instagramのサイトは、

コチラです!

 

 お気軽にFollow Me

2022年6月20日(月)

都内の大学でゲスト講師として講演しました!

◆5月19日(木)

 ロータリークラブで講演しました!

「浮世絵美人画にみる評判娘ー笠森お仙を中心にー」

◆4月30日(土)

TOKYO MXテレビ『ぐるり東京江戸散歩』「江戸時代のアイドル」に出演しました!

修士論文で取り上げた「笠森お仙」を中心に、現代のアイドルと女優さんに解説してきました♪

※6/7までTVerという配信アプリで見逃し配信しています

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2022年夏頃

フランスのテレビ"ARTE"歌川広重特集に出演します!

"Invitation au Voyage"

(邦題:旅への誘い)

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2021年11月10日(水)

大学の授業で講師として、浮世絵についてお話しました!

「浮世絵とジャポニスム」(60分)

「第2回 畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」若い参加者も多く、大盛況で無事に開催いたしました!

【定員になりました】「第2回畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」

※オンライン、オンサイトはどちらも同じ内容の講座となっています

文化庁・文化財研修事業 浮世絵木版画彫摺技術者育成事業報告

 

竹久夢二学会 例会(於:群馬県立館林美術館/群馬県立近代美術館)

2021年3月7日(日)

インターネット番組にゲスト出演しました!

足立区北千住のインターネット番組Cwaiveにゲスト出演し、美人画研究会をはじめ、足立を描いた浮世絵やその歴史を簡単にご紹介しました♪

番組名:Coming Soon!文教国際です!

2021年3月6日(土)

日本顔学会25周年記念シンポジウム(於:資生堂)

2021年2月28日(日)

第26回美人画研究会をZOOM併用で開催しました!

2021年2月21日(月)

ラジオ番組で「美人画研究会」の活動報告をしました!

13時~かわさきFM

2021年2月22日(日)

朗読劇(美人画研究会協力)に出演しました!

『雪の女王』 雪の女王役  『12の月の物語』 ホレーナ役

2021年1月31日(日)

「第1回 畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座」大盛況で無事に開催いたしました!

【定員になりました!】第1回 畑江麻里の初心者でも楽しめる浮世絵講座を開催♪

お陰様で定員(20名)になりましたので、予定より早く募集を終了いたします

 

畑江まで直接ご連絡お願いします~♪

ukiyoe.concierge@gmail.com

11月下旬

浮世絵コンシェルジュとして映画『宮城野』の魅力を監督と語ります!

舞台に出演しました

2020年10月9、10、11日

初めて「美人画研究会」が舞台『浅草夢やしき』の舞台協力になり、芸者・タマ子役で出演しました!

舞台稽古を重ねるごとに台詞や出番が増え、シーン⑤では、日本舞踊を舞った後「美人画研究会」の宣伝をする場面もありました

【舞台公演情報】

2020年10月

  9日(金)15:00 19:00

10日(土)13:00 17:00

11日(日)11:00 15:00

 

チケット:5000円

会場:雷5656会館5階「ときわホール」

住所:東京都台東区浅草3-6-1

 

※チケットご予約※

コロナ対策徹底で、劇場での購入ができないため、

 

畑江まで直接ご連絡お願いいたします~♪

ukiyoe.concierge@gmail.com

舞台出演がきっかけで、学生時代お世話になった、渋谷円山町芸者・鈴子姐さんに再会しました!

【中止】コロナの影響で、非常に残念ながら中止になりました

2020年10月10日(土)

中山道広重美術館2020年度連続講座にて講演「広重とジャポニスム」

2020年9月5日(土)

第24回美人画研究会を満員御礼で無事に開催いたしました!

2020年7月25日(土)

すみだ北斎美術館にて開催

映像情報メディア学会・研究イノベーション学会にて登壇!

登壇内容「浮世絵から現代の美人画へ」は無事好評におわりました

2020年2月9日       第22回美人画研究会を満員御礼で無事開催しました!

学会誌に論文が掲載されました

日本フェノロサ学会機関誌『LOTUS』第39号に

論文が掲載されました

「大正期「複製浮世絵」における高見澤遠治

―その卓越した精巧さの実見調査と、岸田劉生らに与えた影響の考察―」

 

竹久夢二学会で研究発表しました

2019年3月30日(土)

竹久夢二学会にて研究発表(於:拓殖大学文京キャンパス国際教育会館)

竹久夢二の「美人画」の線 ― 現代浮世絵彫師の作品の分析から ―」

2018年11月 

文教大学の授業にて浮世絵をテーマにゲストスピーカーとして講演

※こちらに掲載しました

2018年9月  

日本フェノロサ学会 研究発表(於:東京藝術大学)

※こちらに掲載しました